NECとノキアは,携帯電話を使ってIPベースのさまざまなマルチメディア・サービスを実現する「IMS」(IP multimedia subsystem)に関して,国際間の相互接続試験を実施した。

 具体的なアプリケーションは,リアルタイムに短い文字メッセージをやり取りする「インスタント・メッセージ」(IM)と,VoIP(voice over IP)方式による通話。日欧で用意した携帯型の試験端末をそれぞれ商用の携帯電話ネットワークに接続し,携帯電話用のパケット網(IPネットワーク)を介して相互接続した。IMSによる国際間の相互接続実験は初めて。2004年3月から今夏まで実施した今回の試験は,第1段階に位置づけている。

 IMSは,NTTドコモなどが採用するW-CDMA方式の第3世代携帯電話の標準化機関「3GPP」(3rd generation partnership project)が標準化した技術。IMSのアプリケーションとしては,IMやVoIP通話のほかに,VoIP方式で複数の人とトランシーバのように通話する「Push-to-Talk over Cellular」,お互いの状況を確認できる「プレゼンス」などもある。データ通信とVoIPによる通話を統合したサービスも考えられている。

 IMSの国際接続が実現すれば,世界中の携帯電話で相互にマルチメディア・サービスを利用できる。さらに海外で自国の携帯電話からマルチメディア・サービスを使えるローミングも可能になる。

(ケータイ on Business)