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Dan Aloni氏 横浜Linux Users Group カーネル読書会での講演 |
今後はDirectXを用いた高速表示を実現へ
coLinuxはWindowsカーネルと並列して特権モード(リング0)で動作するように修正された2.6系のLinuxカーネルと,Windowsアプリケーションの形で実装された各種のデーモンの総称。Windowsカーネル上で,Windowsが,coLinux上でLinuxディストリビューションが動作するイメージだ。Linuxからはプロセッサや連続したメイン・メモリーが見えており,Linuxディストリビューションに含まれるバイナリを修正する必要がほとんどない。そのため,さまざまなLinuxディストリビューションと組み合わせることが可能だ。
具体的には,Windowsカーネルと修正されたLinuxカーネルの間にPassage pageと呼ぶ領域を設け,Windows側のプロセッサのレジスタ値と,coLinux側のレジスタ値などを保存,復帰する仕組みになっている。coLinuxは,Pasage pageを通じてすべてのメモリー・アクセス,通信を実行する。Windows上にcoLinux用の各種のデーモン・プロセスを配置し,通信処理などを実行する。
coLinux自体はWindowsのファイル・システムやハードウエアを直接操作することができず,仮想化されたハードウエアをアクセスすることで動作する。現在のバージョン0.6.2では,表示のためにWindows上で動作するXサーバーが必要だ。X Window Systemはクライアント-サーバ・アーキテクチャを採るため,coLinuxのような仮想化技術に向くが,オーバーヘッドが大きく,画面表示速度をこれ以上高速化できない。今後は,共有メモリー領域を設け,DirectXを用いた高速表示を実現する,などの開発目標があるという。
日本初の対応商用ディストリビューションも発売
今回の来日に先駆け,coLinuxを利用したLinuxディストリビューションが相次いで登場している。まず2004年8月24日,独立行政法人 産業技術総合研究所が,LinuxディストリビューションであるKNOPPIXにcoLinuxを追加した版,KNOPPIX v3.4_20040517-20040820を公開した。KNOPPIXは,ドイツのKlaus Knopper氏が開発したDebian/GNU Linuxベースのディストリビューション。CD-ROMから起動して利用できるほか,coLinuxを用いてWindows上にインストールすることが可能になった。
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Linux MLD mini 3.0 D |
Xサーバーには,同社が2004年3月に出荷を開始したCygwinベースの「かんたんXサーバー・スターターキット+IMEプロクシ」を用いる。そのため,Windows上のMS-IMEを用いて,Linux上で文字入力が可能である。
3.0 Dは,KNOPPIXと同様,Linuxディストリビューションとして,Debian GNU/Linuxを用いた。
2004年10月以降,Fedora CoreとcoLinuxを用いた製品の出荷を予定する。「coLinuxと各種のLinuxディストリビューションを組み合わせて,Linux MLD miniをシリーズ化したい」(メディアラボ代表取締役 日樫英孝氏)という。