「米ZopeやZend,MySQLなどオープンソース・ソフトウエアを開発,配布してビジネスを展開する企業が増えている。海外のそういったオープンソース企業と提携し日本での拠点となる」――9月13日にオープンソース・ジャパンに社名変更し,ゾープ・ジャパンをグループ化するゼンド・オープンソースシステムズの代表取締役 角田好志氏は,その狙いをこう語る。

 ゼンド・オープンソースシステムズは,イスラエルZend TechnologiesおよびスウェーデンMySQLの代理店として,ソフトウエアやサービスを販売している。Zend TechnologiesはオープンソースのWeb開発言語PHPのスクリプト・エンジンを開発した技術者らが設立した企業,MySQLはオープンソースのDBMS MySQLを開発,配布している企業である。

 ゼンド・オープンソースシステムズは,9月13日にオープンソース・ジャパンに社名を変更するとともに,子会社としてゼンド・ジャパンを設立し,Zend製品およびサービスの販売を移管する。ゼンド・オープンソースシステムズ常務取締役の鈴木義幸氏が代表取締役社長となる。

 さらに,グループ会社を通じてオープンソースのコンテンツ管理システムZopeの開発元である米Zopeの総代理店となる。Zopeはオブジェクト指向言語Pythonで開発された,コンテンツ管理機能を持つアプリケーション・サーバー。グループ会社となるゾープ・ジャパンが米Zopeと総代理店契約を結んだ。

 ゾープ・ジャパンは,Zopeによるシステム開発などを手がけてきたポータルデザインが社名変更した企業で,今後オープンソース・ジャパンから出資を受ける予定という。ゾープ・ジャパン代表取締役社長の山本烈氏は,Zope上のポータル・サイト構築アプリケーションPloneのユーザーグループ「Plone研究会」を主宰している。またゾープ・ジャパンの最高技術責任者である柴田淳氏は,ZopeのアプリケーションCOREBlogの作者である。

 オープンソース・ジャパンの体制強化のため,代表取締役会長として元明治生命常務取締役の田附俊雄氏を,取締役副社長として元日本IBM 営業部長 松岡照夫氏を迎え入れた。また,セキュリティ関連製品およびサービスを手がけるため,子会社イーセキュリティ・ジャパンを設立。元ISSマーケティング本部長,バニヤン日本代表の太田幸多郎氏が代表取締役社長となる。

 オープンソース・ジャパンでは「今後,Zope以外にもオープンソース・ソフトウエアを開発する海外企業との提携を拡大していきたい」(角田氏)としている。

(高橋 信頼=IT Pro)