「四半期ごとの成長率は30~50%。ここ最近では平均60%の成長率で,2003年の収益は2002年の10倍になった。2年後にはイスラエルCheck Point Software Technologiesを抜いて,セキュリティ分野のリーディング・カンパニーになる」——。米Fortinetの創立者であり社長兼CEOのKen Xie氏は8月30日,IT Proの取材に対して同社の急成長ぶりを強調した(写真)。

 Ken Xie氏は,ファイアウオール/VPNアプライアンス・ベンダーである米NetScreenの創立者であり,元社長兼CEO(NetScreenは米Juniper Networksに買収された)。同氏はFortinetを2000年に設立。同社の主力製品は,2002年から販売している「FortiGate」シリーズである。

 FortiGateは,アンチウイルスやファイアウオール,VPN,IDP(侵入検知/防止),URLフィルタリング——といった機能を一台(一モジュール)で実現するセキュリティ・アプライアンス製品。「NetScreenは“コネクション・ベース”のセキュリティ製品,FortiGateシリーズは“コンテンツ・ベース”のセキュリティ製品。現在市場が求めているのは,コンテンツ・セキュリティを実現できる製品だ」(Ken Xie氏)。同製品の特徴の一つは“処理が早いこと”。すべての処理をASIC(特定用途向けIC)で実現しているためだという。

 「NetScreenも急成長を遂げたが,Fortinetはそれ以上のペースで成長している。現在,ネットワーク・セキュリティ分野のリーディング・カンパニーはCheck Pointと目されているが,2年後には追い抜く自信がある」(Ken Xie氏)

 同社の今後の予定としては,9月に,サービス・プロバイダ/テレコム向けのFortiGateを発表する。現在の最上位機種であるFortiGate-4000よりも高スペックの機種を発表する。また,半年後にはIPO(新規株式公開)を予定しているという。

(勝村 幸博=IT Pro)