経済産業省の2005年度オープンソース・ソフトウエア関連施策の予算の概算要求が明らかになった。2004年度はオープンソース関連予算として9億円を要求して認められていたが,2005年度はその倍額,約18億円をオープンソース関連予算として要求した。

 内訳は以下の通り。オープンソース・ソフトウエアの開発を支援する「オープンソフトウェア基盤整備」に約10億円,日中韓協力など「アジアでのオープンソース協力」に約5億円,「学校教育現場におけるオープンソース活用の実証実験」に約3億円である。

 「オープンソフトウェア基盤整備」は,オープンソース・ソフトウエアを開発・整備するプロジェクトを公募し,開発費用を支援するもの。2003年度から実施しており,2004年度は約9億円の予算を計上している。2005年度は前年度を上回る約10億円を要求した。

 アジア各国とのオープンソース協力に関しては,これまで日本,中国,韓国の3カ国による「OSS推進フォーラム」(関連記事)や,「アジア・オープンソースソフトウェア・シンポジウム」を開催してきた。2004年度はオープンソフトウェア基盤整備の1事業として実施してきたが,2005年度は別枠として予算要求した。フォーラムやシンポジウムのほか,人材育成や技術評価,研究開発などの予算として約5億円を要求した。

 「学校教育現場におけるオープンソースソフトウェア活用に向けての実証実験」は,教育機関にLinuxデスクトップ機を導入し,実用性を実証する実験。2004年度にやはりオープンソフトウェア基盤整備の1事業として約2億円の費用を計上している。現在希望する教育機関を公募しており,2004年10月から開始される予定。2004年度中に400~500台の導入を目標としている。この事業も2005年度は別枠として約3億円を要求した。2004年度の1.5倍の予算規模となるが「導入台数が前年度の1.5倍となるとは限らない。台数が目標ではなく実証実験と環境整備が目的であり,2004年度の実験でソフトウエアの整備が必要なことが判明すれば,その開発などに費用が必要になる可能性もある」(経済産業省 商務情報政策局情報処理振興課)としている。

(高橋 信頼=IT Pro)