Windows上で動作するKNOPPIX
 独立行政法人 産業技術総合研究所(産総研)は8月24日,フリーのLinuxディストリビューションKNOPPIXの新版を公開した。新版「KNOPPIX v3.4_20040517-20040820」の特徴は,Windows上のプログラムとしてLinuxが動作するようにしたこと。Windows上のLinuxエミュレータである「Cooperative Linux(coLinux)」とCPUエミュレータ「QEMU」のどちらかを利用できる。

 KNOPPIXはドイツのKlaus Knopper氏がDebian GNU/Linuxをベースに開発したLinux。CD-ROM1枚に収められ,インストールしなくともCD-ROMから直接起動できる(関連記事)。産業技術総合研究所の須崎有康氏が日本語化を行っている。須崎氏は今回,coLinuxやQEMUと組み合わせることで,Windows上の1プログラムとしてKNOPPIXが動作するようにした。

 coLinuxはイスラエルのDan Aloni氏が開発したLinuxエミュレータ。WindowsとLinuxのカーネルを絶えず切り替え続けることにより,Windows上でLinuxを実行する。そのため,他のエミュレーション方式に比べ性能の低下が抑えられるという。また特権モードで動作するため,ネイティブに動作するLinuxと同様な操作が可能(関連記事)。

 coLinuxと組み合わせたKNOPPIXはインストーラを起動し,ウィザードの質問に答えていけばインストールできる。

 QEMUは,VMwareやVirtual PCと同様,CPUレベルでエミュレーションを行う。coLinuxより性能は低くなるが,インストールが不要で,クリックするだけですぐに起動できる。またWindowsのAdministrator権限を持たないユーザーでも利用できる。

(高橋 信頼=IT Pro)