特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の「コンテントセキュリティWG」は8月23日,「P2Pファイル交換安全利用ガイドライン」の作成を開始したことを公表した。現在公開しているのは“叩き台”となる第0版。これを基に,ユーザーや識者から意見を募集してガイドラインを完成させる予定。意見募集は9月30日まで。同協会の「P2Pファイル交換安全利用ガイドライン窓口(tech-p2pguide@jnsa.org)」で受け付ける。

 ガイドライン作成および公開の目的は,「著作者と利用者の権利侵害に関わる紛争の軽減」(JNSAコンテントセキュリティWG)を図ること。権利侵害の可能性がある行為や権利侵害しないための心構えなどをまとめ,ガイドラインとして公表する。これにより,権利侵害の訴訟や紛争などを未然に防ぐ。

 現在公開している第0版では,「著作者の許可なく著作物を収録したファイルを公開しない」と「著作者の許可なく著作物を収録したファイルを中継しない」の2点を挙げている。JNSAコンテントセキュリティWGによると,同WGがヒアリングを実施している著作権管理事業者などの実務者の間では,中継するだけでも権利侵害の恐れがあるとの認識があるという。

 第0版はA4用紙一枚程度の内容だが,「今後寄せられた意見を基に,内容を充実させる予定」(JNSA事務局)である。

◎参考資料
P2Pファイル交換安全利用ガイドライン作成への意見募集について
P2Pファイル交換安全利用ガイドライン(PDFファイル)

(勝村 幸博=IT Pro)