コンピュータ・ウイルスの届け出先機関「情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)」は8月5日,7月中の届け出状況を集計して公開した。ウイルスの発見届け出数は4832件(6月は5422件)。そのうち,実際に被害に遭ったのは76件(6月は56件)だった。

 届け出件数が多かったウイルスは,「Netsky」(1591件),「Bagle」(532件),「Lovgate」(317件)。これらのウイルスに加え,7月に変種が出現した「Mydoom」についても,IPA/ISECでは警告している(関連記事)。

 特に,NetskyやMydoomなどについては,強く注意を呼びかけている。というのも,これらのウイルスは単に感染を広げるだけではなく,感染したパソコンに外部からアクセスできるように「バックドア」を開いたり,特定のWebサイトへ大量のデータを送る「DoS(サービス妨害)」攻撃を仕掛けたりするからだ。これらのウイルスに感染すると,知らないうちにパソコンの重要データを盗まれたり,ネットワークを麻痺させてしまう。

 IPA/ISECでは,「インターネット・ユーザーの一員として,ウイルス対策を行うことは最低限のマナー」として,ウイルス対策を改めて確認するよう勧めている。

 加えて,夏期休暇に備えて,万全の体制を整えるよう呼びかけている。夏季休暇中はシステム管理者が不在なため,攻撃を受けたり,ウイルス/ワームに侵入されたりすると,被害が拡大しやすい。このため,IPA/ISECが公開する「情報セキュリティ対策実践情報」などを参考に,対策状況の確認ならびに対策の実施をするよう呼びかけている。また,休暇中自宅に持ち帰ったパソコンによる,社内LANへのウイルス持ち込みを防ぐ方策を考えておくよう勧めている。

◎参考資料
ウイルス・不正アクセス届出状況(7月分)
コンピュータウイルスの届出状況について[詳細](PDFファイル)

(勝村 幸博=IT Pro)