主力製品のSecuwayGate3000

 TIDは,ギガビット・イーサネット対応のファイアウオール/VPN機器「SecuwayGate3000」「同6000」を8月から販売する。IDS(侵入検知システム)接続専用ポートを持ち,複数台のIDSを設置しなくても全トラフィックを監視できるのが特徴。主力製品のSecuwayGate3000の参考価格は650万円で,「他社の同等製品の半額近い価格」(同社の山村浩史シニアセールス)としている。

 SecuwayGateシリーズは,韓国Future Systemsの製品。同シリーズは韓国ではもっとも売れているファイアウオール/VPN製品で,「公共機関でのシェアは8割」(山村氏)という。TIDは2001年10月からSecuwayGateシリーズを販売していたが,累計300台程度の出荷に留まっていた。新モデルの登場と,旧モデルのバージョンアップにより,8月から本格的な販売活動を展開する。

 SecuwayGateシリーズは,VPN処理に専用のASICを搭載して高速処理を図っている。データセンター向けのSecuwayGate6000は600Mbps,企業の本社向けのSecuwayGate3000は500MbpsのVPNスループットがあるとしている。最大VPNトンネル数はそれぞれ2万と1万。稼働系,待機系の冗長構成を取り,信頼性を高めることができる。

 他社製品にない機能として,IDS接続用に「ブラック・ゾーン」と呼ぶ専用LANポートを持つ。ブラック・ゾーンには,ファイアウオールに入ってくるインターネット側,社内側,DMZ(非武装地帯)側の全パケットが入ってくる。ここにIDSを接続することによって,全パケットを監視することができる。ブラック・ゾーンがない場合は,例えば社内側とDMZ側の2個所にIDSを設置しないと,全パケットを監視することはできなかった。ブラック・ゾーンの技術は韓国で特許取得済みのほか,日本でも特許申請中という。

(和田 英一=IT Pro)