学校法人コンピュータ総合学園は,オープンソース・ソフトウエアを専攻する専門職大学院を開設する。現在,文部科学省に申請しており,認可されれば2005年4月に開学する。名称は「神戸情報大学院大学」。2年制で,情報システム研究科 オープンソースソフトウェア専攻 45名を募集する。オープンソース・ソフトウエアに特化した大学院大は全国でも初めて。

 既存の大学や大学院でも,研究教材としてオープンソース・ソフトウエアが使用されることは多いが,神戸情報大学院大学では,研究材料としてではなく,実務へのオープンソース・ソフトウエアの適用を主眼に置く。オープンソース・ソフトウエアを深く理解したプロジェクト・マネージャやアーキテクトなどの育成を図る。

 コンピュータ総合学園が運営する神戸電子専門学校では,Linuxのソースコードを改良しルーターとして使用するなど,オープンソース・ソフトウエアを活用している。「オープンソース・ソフトウエアは文字通りソースコードが完全に公開されているため、内部処理の仕組みをすみずみまで調べることができる。これをおもな教材として,確かな技術と知識を習得する」(コンピュータ総合学園が運営する神戸電子専門学校の副校長 福岡壯治氏)。

 教授陣として「Linuxディストリビューションの開発者やセキュリティ,組み込みLinuxの第一人者を招聘する。また上場企業のプロジェクト・マネージャやコンサルタント,ベンチャの技術者などの実務家が参画する」(福岡氏)という。企業と連携し,インターンシップ制度を導入,論文の代わりにシステム開発や研究を義務づける。また,ITスキル・スタンダードに合わせたスキルの向上を図るため,ITSSユーザー協会と共同でカリキュラムを開発するとしている。

 専門職大学院制度は,研究者ではなく専門性の高い職業人の育成を目的とした制度で,2003年施行の学校教育法改正により制度化された。IT系の専門職大学院としては,学校法人 京都情報学園が開設した京都情報大学院大学 応用情報技術研究科 ウェブビジネス技術専攻などがある。

(高橋 信頼=IT Pro)