写真●FUSION IPテレビ電話サービスのデモ 中央手前の端末が国内で販売される予定の端末。韓国で販売されている右側の端末よりもキータッチを柔らかくするなどの仕様変更を行っている。ビデオ端子を用いてテレビに拡大表示することもできる。

 フュージョン・コミュニケーションズは2004年10月から月額380円の固定料金で「FUSION IPテレビ電話サービス」を提供する。日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で開催中のネットワーク関連の総合展示会「NetWorld+Interop 2004 Tokyo」(N+I)」で明らかにした。NTT東日本も同展示会でIPテレビ電話サービスを一部定額で提供することを明らかにしている(関連記事)。固定電話事業者が,次世代サービスとしてブロードバンド回線を利用した定額IPテレビ電話サービスを提供していく方向性が鮮明になった。

 韓国メーカーが開発したIPテレビ電話端末を日立インフォメーションテクノロジー(日立IT)が日本語化する(写真)。制御プロトコルにはSIPを用い,映像はH.263,音声はG.723.1,G.711でエンコードする。NTT東日本のIPテレビ電話端末に比べると,使用する帯域は384kビット/秒と狭く,その分,画質は劣る。液晶ディスプレイは4インチ。

 日立ITのシステムソリューション事業部 事業推進センタの藤田登チーフスペシャリストは「展示会でパソコンを使ったソフトフォンを展示したこともあるが,お年寄りには見向きもされなかった。通常の電話機のようにプッシュ・ボタンがある,こちらの電話機はお年寄りも関心を示してくれた」とプッシュ・ボタン型端末のなじみの良さを強調した。

 通話料金は加入者間では無料。固定電話へは全国一律3分8.4円,携帯電話へは1分17.85円かかる。気になるのは端末の価格。価格は1台当たり5万円を若干下回る程度という。レンタルでの提供も望まれる。

(和田 英一=IT Pro)