日本テレコムは,RFIDを使って,どこでも1つの電話番号で電話がかかってくるサービスをIPv6で実装,日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で開催中の「NetWorld+Interop 2004 Tokyo」(N+I)」で披露した(写真)。今後,事業化を計る。

 このサービスでは各自がICタグ読み取り装置付きのノート・パソコンを持っていることが前提。自分が利用する電話機ごとにICタグを用意しておく。ノート・パソコンを持って移動した場合に,移動先の電話機のICタグを読み取り装置で認識させる。すると,その人の電話はその電話機にかかってくるようになる。

 その裏側の仕組みはこうだ。ICタグを読み込むと,ロケーション・サーバーにその人の電話転送先はどの電話機になったのかという情報が送られる。その情報を元に,ENUMサーバーに登録してある電話機のアドレスが変更される。その人の専用番号に電話がかかってきて,ENUMサーバーを参照した場合,その人の現在の電話機のアドレスが返される。そのアドレスを用いてSIPサーバーに接続に行き,通話できるようになる。

 SIPサーバーに手を入れなくとも,ロケーション・サーバー,ENUMサーバーを付加することで,追っかけ電話を実現できるのが利点という。

 今回のような方式とは逆に,利用者が個人認証のICタグを持ち歩いて,移動先でICタグを読み取らせるという方式も考えられる。しかし,この方法だと,どこに読み取り機があって個人の移動をチェックされるか分からない。そこで,電話機に対してICタグを用意することによって,こうした心配を回避した。

(和田 英一=IT Pro)