NPO法人OSCARアライアンスは6月4日,オープンソースの法律問題に関する相談に回答するサービスを開始した。利用料金は無料。ただし調査などが必要な内容については,別途費用が必要になる。法律相談には,弁護士の尾崎孝良氏が協力する。

 オープンソースのライセンスの種類は多岐に渡る。またオープンソースではないソフトウエアと組み合わせる場合,改変した場合のソースコード公開義務がどこまで及ぶかについての判断が難しい場合がある。また「オープンソースの導入を検討する企業で,SCOの提訴事件などを話題とすることもある。オープンソースの普及啓もうには,法的なアドバイスが必要だ」(OSCARアライアンス理事,テンアートニ 代表取締役 喜多伸夫氏)

 相談は電子メールで受け付ける。受付メール・アドレスは「legal@zend.co.jp」。一般的な質問については事務局が回答。相談の内容が高度な場合は,尾崎弁護士が直接対応する。

 尾崎氏は東京大学理学部数学科卒,英Cambridge大学 Diploma of Computer Science修了という理系出身の弁護士。オープンソースに関する法的問題,デジタル著作権,セキュリティに関する法的問題などを専門とする。日本医師会総合研究機構の主任研究員として医事法務の研究や,オープンソースの代表的なライセンスであるGPL(GNU General Public License)に関する日本的な契約書の作成を行った。また情報セキュリティ大学院大学で非常勤の教授としてセキュリティに関する法的問題を扱っている。

 OSCARアライアンスはオープンソース・ビジネスの普及啓もうを目的とするNPO法人。2002年6月に任意団体として創設された。セミナーの開催や,オープンソース・ビジネスに貢献した企業や団体の表彰などの活動を行っている。また,外食産業向け座席予約管理システム「GARAGARDOA(ガラガラドア)」や,WebPOS業務パッケージ「フランシーヌ」,グループウエア「ペンギンオフィス2」といったオープンソースの業務アプリケーションを配布している。

(高橋 信頼=IT Pro)