コンピュータ・ウイルスの届け出先機関である情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は6月3日,5月中の届け出状況を集計して公開した。ウイルスを発見したという届け出は5439件(4月は4028件),そのうち実際に被害に遭ったのは59件(4月は69件)だった。届け出が最も多かったのは「Netsky」ウイルス(すべての変種を含む)で,届け出ベースでは全体の3割以上,検出数では全体の9割以上を占めた。

 IPA/ISECでは,同じユーザーから同じ日に同じ種類のウイルスが報告された場合,ウイルスが何個検出されていても,届け出件数としては1件とカウントしている。このため,届け出件数と届け出たユーザーが実際に検出したウイルスの数は異なる。IPA/ISECに寄せられたウイルス検出数は,およそ336万4000だった。そのうち,93%がNetskyだったという。このためIPA/ISECでは,改めて注意を呼びかけている。

 加えて,5月に出現した「Sasser」のように,ネットワークに接続するだけで感染するウイルス(ワーム)に備えて,パーソナル・ファイアウオールを使うよう勧めている。

 同日,IPA/ISECは5月の不正アクセス届け出状況についても公表した。届け出数は96件(4月は55件),そのうち実際に被害に遭ったのは6件(4月も6件)だった。

◎参考資料
コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況について(IPA/ISEC)
コンピュータウイルスの届出状況について[詳細](PDFファイル)
コンピュータ不正アクセスの届出状況について[詳細](PDFファイル)

(勝村 幸博=IT Pro)