KDDIは,機器組み込み用の無線通信モジュール「UGEP2-601B」(アルプス電気製)を6月1日に発売した。最大144kビット/秒のパケット通信が可能なCDMA 1X通信方式に対応し,工作機械,建設機械,自動車(テレマティクス),自動販売機などに組み込んで使用する。これら機器メーカー向けに販売する。価格はオープン。

 特徴は,無線回線の加入/契約を無線経由で実行する「OTA」(over the air)に対応したこと。通信モジュールを機器に組み込んだ状態のまま,CDMA無線により電話番号などのID情報の書き込み/消去を実行できる。

 例えば,無線通信モジュールを組み込んだカーナビゲーション・システムを搭載した自動車の所有者は,車両を売却する時点で無線回線を解約。中古車市場にある車両を新しい所有者が購入後に,無線回線を新規に契約するといった利用形態が可能である。中古車市場にある間に無線回線の月額基本料が発生するのを避けられる。

 製造・流通・在庫期間の回線月額基本料をなくせるため,各種機械メーカーに対し,通信モジュールの組み込みを促進する要因になりそうだ。

 OTAの利用料金は,加入登録時に90円。OTA可能期間は通常6カ月間で,期間延長の登録時に30円かかる。

(井出 一仁=ケータイ on Business)

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