情報通信機器販売のエヌ・シー・エル・コミュニケーション(NCLC,東京都中央区,織田博靖社長)が情報セキュリティ事業を一段と強化しはじめた。これまでデータのバックアップ・ソフトや個人認証,暗号化ソフトなどを単品販売してきたが,今後はこれらを組み合わせたセット販売に力を注ぐ方針。

 同社は,ITサービス会社経由でユーザー企業に各種セキュリティ・ソフトなどを売り込んできた。しかし,ユーザー企業から情報セキュリティ関連製品の導入による効果を求める声が強まり,単品販売では限界が出てきた。そこでセット販売に切り替えることで,クライアント・パソコンにあるデータの暗号化,バックアップ,さらに資産管理の機能を盛り込んだものにすることで,情報システム全体のセキュリティ対策を充実させるよう提案する。

 中核となる製品は,米ネクサン・テクノロジーズの大容量型ストレージ。1きょう体の最大容量は12.6テラバイトで,価格はエンタープライズ向けストレージとしては「競合製品に比べて,5分の1程度の約500万円」(織田社長)。このストレージをクライアント向けの高速データ倉庫と位置付け,クライアント・パソコンのバックアップ・サーバーやハードディスクの暗号化ソフト,個人認証のためのICカ-ドなどを組み合わせて売り込む。

 対象ユーザーは,数千台を超えるクライアント・パソコンを社内に持つ大手企業で,1システム当たり数億円の規模を見込んでいる。

(田中 克己=編集委員室主任編集委員)