マイクロソフトは4月30日,「新着サポート技術情報」において,「MS04-011」のパッチを適用すると発生する3種類の問題を公表したIT Proで既報「Windows 2000マシンが応答しなくなる」問題のほか,(1)「EMF画像ファイルが表示されない」問題,(2)「Windows NTマシンがハングアップする」問題が発生する場合があるという。

 (1)は,Adobe Illustrator で作成したEMF画像ファイル(拡張メタファイル形式のグラフィック・ファイル)をInternet Explorer(IE)やMicrosoft Officeなどで開けなくなる問題である。Windows 2000/XP/NT 4.0/Server 2003で発生する。MS04-011のパッチを適用すると,メタファイル形式ファイルの検証を厳密に行うようになるために,今までは開くことができたEMFファイルを開けなくなる場合があるという。この問題を解消するパッチや回避方法は公開されていない。マイクロソフトに問い合わせて,この問題を解消するパッチを入手する必要がある。

 (2)は,マルチプロセッサのWindows NT 4.0マシンに発生する問題。マルチプロセッサのマシンに,マルチプロセッサ・カーネル・ファイル(Ntkrnlmp.exe)ではなく,シングルプロセッサ・カーネル・ファイル(Ntoskrnl.exe)をインストールした場合に発生する。具体的には,ブルー・スクリーン上に「STOP: 0x00000079 (0x00000002 0x00000002 0x00000000 0x00000000) 」というエラー・メッセージが表示される。

 回避策は,Windows 2000/XP の CD-ROM を使って,回復コンソールからカーネル・ファイルをコピーしなおすこと。具体的な手順は「サポート技術情報 - 841384」を参照してほしい。

◎参考資料
[MS04-011] Microsoft Windows のセキュリティ修正プログラム
Adobe Illustrator で作成された拡張メタファイル形式のグラフィック ファイル(EMF 画像ファイル)が表示されない
Windows NT 4.0 に MS04-011 のセキュリティ修正プログラムをインストールした後 "STOP 0x00000079" エラー が発生する
MS04-011 のインストール後にコンピュータが応答を停止,ログオン不可,CPU 使用率 100% の現象が発生する

(勝村 幸博=IT Pro)