日本,中国,韓国の3国の政府が,共同でLinuxに関する連携を強化する。ただし,一部報道にあった「OSの共同開発」ではなく,共同での標準化活動を行う。4月3日に北京で行われる,各国政府の情報技術担当局長級会合で正式に決定する見込み。具体的な標準化の対象の候補としては,文書フォーマットや文字コードなどが上がっている。

 日中韓の3国は,2003年11月に各国のIT業界団体が,政府の支援のもとオープンソースの推進団体「日中韓OSS推進パートナーシップ」を設立するなど,オープンソースに関する連携を進めている関連記事)。これらの活動の中で「中国から,標準化活動を共同で行いたいとの提案があった」(経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課 課長補佐 久米孝氏)。

 標準化する文書フォーマットや文字コードの候補はすでに上がっているが,政府機関などで文書をやり取りする際に,WordやExcelといった特定のソフトウエアに縛られない,アプリケーションに依存しない仕様とする方針。日中韓OSS推進パートナーシップではなく,政府として標準化を行う。

 これらの標準化は,日中韓で“クローズド”な仕様とするのではなく,ISOなど国際的な標準化機関への提案も想定している。

 4月3日には,中国・北京で官民が参加する「北東アジアOSS推進フォーラム」が開催され,日本の大手ITベンダーも参加する。並行して,各国政府の担当者の会合が行われ,正式に標準化の推進が決定する見込みである。

(高橋 信頼=IT Pro)