コトヴェールは3月24日,パソコンからの電磁波漏えいを防ぐ製品をセットにした「セキュリティ・ノイズガード」を発売することを明らかにした。製品は2種類。「unit A」には,「ノイズ・雷サージプロテクタ」と「タッピング ガード アダプタ USB用」が含まれる。前者は電源ケーブルから,後者はUSBケーブルから漏れる電磁波をカットする。「unit B」は,LANケーブル(10/100BASE-T)から漏れる電磁波をカットする「ノイズカット・コネクタ」をunit Aに加えたもの。「パソコンから漏えいする電磁波を受信すれば,画面上やキー入力された情報を容易に盗聴できる。盗聴対策として,電磁波漏えいを防ぐことは重要だ」(コトヴェール 第一営業部部長 山田憲司氏)。unit Aは9800円,unit Bは1万2800円で,4月上旬より大手家電量販店で発売する。

 「1年程ほど前から,自治体などから電磁波漏えい防止製品に関する問い合わせが急増している」(山田氏)。というのも,2003年3月,総務省は「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」(PDFファイル),経済産業省は「情報セキュリティ監査制度」をそれぞれ改訂して,電磁波漏えいによる盗聴を防ぐ必要があることを追記したからだ。セキュリティ対策の一環として,電磁波漏えい防止が認識されつつある。「現在では全国の県警の6割強が,コトヴェールの電磁波漏えい防止製品を導入している」(山田氏)という。

 一般ユーザーからのニーズも増え始めているという。同社製品は以前から家電量販店で販売されているが,「量販店から『対策に必要な製品を一まとめにしたパッケージ製品を作ってほしい』という要望を受けて,セキュリティ・ノイズガードの発売に踏み切った」(山田氏)

 ただし,デスクトップ・パソコンを使っている場合には,セキュリティ・ノイズガードだけでは防げない。セキュリティ・ノイズガードに含まれる製品だけでは,ディスプレイとパソコン本体をつなぐケーブルから漏えいする電磁波をカットできないからだ。ノートパソコンを使っている場合にはセキュリティ・ノイズガードで十分だが,デスクトップ・パソコンの場合には,電磁波漏えいを防止するディスプレイ・ケーブル(例えば同社の「TGC(Tapping Guard Cable)」)を別途購入する必要がある。

(勝村 幸博=IT Pro)