公開Webサーバーの統計調査などを実施している英Netcraftは現地時間2月3日,「Mydoom.B」ウイルスのDoS(サービス妨害)攻撃に関する同社の観測結果を公開した。米Microsoftは,Mydoom.Bの攻撃に備えて代替サイト「https://information.microsoft.com/」を用意していたが,Netcraftによれば,Microsoftのサイトへの大きな影響はなかったという。

 Mydoom.Bは,1月27日以降大きな被害をもたらしている「Mydoom」ウイルスの変種である。Mydoomと同じように,米SCO Groupのサイト「http://www.sco.com/」へDoS攻撃を仕掛ける“機能”を持つ(関連記事)。さらに,Mydoomとは異なり,2月3日以降に起動されると,Microsoftのサイト「http://www.microsoft.com/」にも攻撃を仕掛ける。

 MydoomによるSCO Groupサイトへの攻撃は影響が大きかったために,Mydoom.Bの攻撃が心配されたが,一部で「http://www.microsoft.com/」へアクセスできない状況が発生したものの,大きな影響はなかったという。

 攻撃の影響がほとんどなかったのは,Mydoom.BがMydoomほどには感染を広げていなかったためと考えられる。例えば,トレンドマイクロが公開している「ウイルストラッキングセンター」によると,Mydoomの検出件数が1万8000だったのに対して,Mydoom.Bは1件も検出されていない(2月3日14時時点)。「ウイルストラッキングセンター」は,同社が提供するオンラインのウイルス検査サービス「ウイルスバスターオンラインスキャン」などで検出されたウイルスを集計し,リアルタイムで表示するサービスである。この観測結果はあくまでも一例だが,Mydoomに比較すれば,Mydoom.Bに感染しているマシンは圧倒的に少ないと言えるだろう。

◎参考資料
「Microsoft has alternative site available, just in case」(英Netcraft)

(勝村 幸博=IT Pro)