日本ネットワークアソシエイツは9月5日,ウイルス対策用ハードウエア製品の新版「WebShield Appliance 2.7」を発売する。WebShield Applianceは,メール(SMTP,POP3)やWeb(HTTP),FTPのトラフィックに含まれるウイルスを検知駆除するゲートウエイ型ウイルス対策製品。新版の特徴は,スパム対策ソフト「SpamKiller for WebShield Appliance」をオプションで組み込めること。価格は,WebShield Appliance 2.7が72万5000円から,SpamKiller for WebShield Applianceが99万8000円。

 旧版のWebShield Applianceにも,件名や本文中のキーワードなどでメールをフィルタリングする機能は備えていた。このため,管理者がスパムに特有のキーワードを登録しておけば,スパム・メールをフィルタリングできた。「MAPS RBL」「ORDB」 といった,インターネットで公開されているスパム送信者(あるいは,メールの不正中継を許すホスト)のリストに基づいたスパム対策も可能だった。

 新版では,これらの機能に加えて,スパム対策の専用ソフトであるSpamKiller for WebShield Applianceを組み込めるようにした。SpamKillerは,フリーのスパム対策ソフト「Spam Assasin」をベースにしている。SpamKillerの開発には,2003年1月に買収した米Deersoftの技術が使われている(関連記事)。

 SpamKiller for WebShield Applianceは,メールの件名や本文をチェックし,独自のルールに基づいて,そのメールの“スパムらしさ”を数値化する。数値が,設定したしきい値を上回れば,スパムとしてブロックする。「ある値以上はスパムとしてブロックするが,ある値からある値までは,“グレー”なメールとして,件名に[SPAM]という文字列を埋め込んで,ユーザー(のメールボックス)に配信する」といった使い方も可能である。

 ただし,件名や本文からスパムかどうかを自動的にチェックできるのは,英文のメールについてだけである。日本語のメールについては,WebShield Applianceが従来から備える,キーワードによるフィルタリング機能(キーワードは管理者が設定する)や,送信元アドレスによるチェック機能を利用するしかない。

 WebShield Appliance 2.7の価格は旧版と同じである。旧版同様,ハードウエアのスペックが異なる「e250」「e500」「e1000」――の3種類を用意している。e250は72万5000円から。WebShield Applianceに接続しているマシンの台数によって価格が決まる。e500は275万円,e1000は398万円(価格の詳細については,同社のページを参照のこと)。

(勝村 幸博=IT Pro)