写真●松下電器産業の「VODハイビジョン伝送セミナー」 画面中央に見えている講師は,その場にはいない。IPv6で送られてきたハイビジョン映像である。
松下電器産業のVODハイビジョン伝送セミナー

 「Networld+Interop 2003 Tokyo」の松下電器産業ブースの一角には暗室が設けられ人がぞろぞろ入っていく。中では男性がプレゼンテーションをしていると思いきや,ナマ出演ではなく,ビデオだった。しかも,このビデオはその場でテープなどを再生しているのではなく,25kmほど離れた江東区有明からリアルタイムで伝送されてきているのだ。

 有明には同社のショールーム「Panasonic Center」がある。Panasonic Center内のスタジオでハイビジョンで撮影した映像をコンピュータに取り込み,映像配信サーバーに蓄積する。遠隔地からそのサーバーの好きな映像を呼び出すというVOD(Video on Demand)のデモだった。

 Panasonic Centerと幕張メッセを結ぶ回線は,NTTコミュニケーションズが提供した。この回線は,将来,家庭内で視聴することを想定して,IPv6を用いたという。家庭内の複数の機器と外部とがやり取りする場合にIPv6の方が,IPv4よりも便利というわけである。ブロードバンド・ルーターによるアドレス変換の手間がいらないからである。

(和田 英一=IT Pro)