「提供方法や時期については未定だが,WindowsにインストールされているMicrosoft VMをアンインストールするためのツールを提供する準備がある」――。マイクロソフトの製品マーケティング本部Windows製品部クライアントグループ プロダクトマネージャーの佐藤秀一氏は6月10日,プレス向けの説明会で述べた。
マイクロソフトが提供するJavaの実行環境(仮想マシン)であるMicrosoft VM(Microsoft Virtual Machine for Java)には,頻繁にセキュリティ・ホールが見つかっている。しかしながら,2001年1月に米Sun Microsystemsとの間で成立した和解契約により,たとえMicrosoft VMに新しいセキュリティ・ホールが見つかっても,2004年1月以降は修正パッチが提供されない(関連記事)。
現状では,Microsoft VMをアンインストールする手段は提供されていない。2003年2月には,Microsoft VMを含まないWindows XP SP1aが提供されたが,これを適用しても,既にインストールされているMicrosoft VM がアンインストールされることはない。
今後リリースされるWindowsやサービスパック(例えば,Windows Server 2003やWindows 2000 SP4)にも,Microsoft VMは含まれないものの,2004年1月以降は,Windows ユーザーのほとんどが,とても危険な状況におかれることになる。
この状況を回避するために,マイクロソフトではMicrosoft VMをアンインストールためのツールを提供する用意があるという。ここでは「ツール」と書いたが,アンインストールするための独立したツールとして提供されるのか,Windowsのサービスパックやパッチとして提供されるのかは,現時点では未定である。
提供時期についても未定である。修正パッチが提供されている現状でも,セキュリティの観点からMicrosoft VMをアンインストールしたいと考えているユーザーは少なくない。できるだけ早急に提供してもらいたい。
◎参考資料
◆Microsoft VM 開発者向け FAQ
(勝村 幸博=IT Pro)