ウェブセンス・ジャパンは4月4日,URLフィルタリング・ソフトの新版「Websense Enterprise v5」日本語版を発表した。新版では,Webアクセスに使用するHTTPだけではなく,ストリーミングやP2Pなどのプロトコルをサポートする。オプション・モジュールを別途購入すれば,(1)回線の使用状況に合わせて,Webアクセスの許可/不許可を動的に切り替える機能,(2)設定したポリシーに従って,クライアント・マシン上で動作するアプリケーションを制限する機能――を追加できる。出荷開始は4月8日。ただし,(2)に関するモジュールは年内中に出荷する予定である。価格は34万円(50ユーザー,1年間)から。

 URLフィルタリング・ソフトは,管理者が設定したポリシーに従って,ユーザーのWebアクセスを制限するサーバー・ソフトウエアである。管理者が,アクセスを禁止したいカテゴリ(「ギャンブル」や「ショッピング」,「アダルト」など)を設定すれば,そのカテゴリに属するWebサイトへユーザーはアクセスできなくなる。どのサイト(URL)がどのカテゴリに属するのかは,ベンダーが提供するデータベース・ファイルに記述されており,そのファイルは自動的に更新される(Websense Enterpriseでは毎日更新される)。

 Websense Enterpriseの新版では,上記の基本的な機能に加えて,ストリーミングやP2Pなどのプロトコルをサポートする。カテゴリとして新たに「ストリーミング」などが加わり,全ユーザーあるいは特定ユーザーによるストリーミング・データなどのダウンロードを制限できる。

 また,どのユーザーが何のプロトコルでインターネットにアクセスしているのか,どの程度帯域を消費しているのかをリアルタイムでグラフ表示する「リアルタイム・アナライザ」機能を備えた。

 アクセスの許可/不許可を,より細かく設定できるようにもなった。具体的には,「カテゴリ『ニュース』のサイトへのアクセスは許可するが,ニュース・サイト内の動画を見ることは不許可にする」といった設定が可能になった。さらに,1台のWebsense Enterpriseで設定したポリシーを,別の複数台のWebsense Enterpriseへ配信する機能なども備えた。

 以上は,Websense Enterprise v5が標準で備える新機能である。加えて,オプション・モジュールを別途購入すれば,さらに機能を追加できる。

 「Bandwidth Optimizer」を購入すれば,ある特定のカテゴリに対して,「通常はアクセスを許可するが,そのカテゴリへのアクセスが全体(あるいはHTTP)のトラフィックの×%を超えたら不許可にする」といった設定が可能になる。

 また,「クライアント・アプリケーション・マネージャ」を購入して,同モジュールに含まれるエージェントを各クライアント・マシンにインストールすれば,クライアント上で動作するアプリケーションを制限することができる。

 具体的には,Websense Enterpriseにおいて,「『ゲーム』のカテゴリに属するアプリケーションは起動させない」と設定すれば,その情報はWebsense Enterpriseから各エージェントに送信され,該当するアプリケーションが起動されそうになったら,エージェントが起動を“阻止”する。どのアプリケーションがどのカテゴリに属するのかは,URLの場合と同様に,ベンダーが提供するデータベース・ファイルに記述されており,そのファイルは定期的に更新される。

 ただし,クライアント・アプリケーション・マネージャの日本語版の出荷時期は未定。ウェブセンス・ジャパンでは「年内に出荷できるように作業を進めている」(同社代表取締役 楠浩一氏)という。

 英語版のWebsense Enterprise v5は3月17日に出荷され,英語版のクライアント・アプリケーション・マネージャも同時に出荷されている。日本語版のクライアント・アプリケーション・マネージャの出荷に時間がかかっている理由としては,「クライアント・アプリケーション・マネージャについては,単に日本語化するだけでは済まない。クライアント・アプリケーション・マネージャ用のデータベース・ファイルを更新して配布するシステムや体制を新たに用意する必要がある」(楠氏)ためとしている。

 Websense Enterpriseの価格(ライセンス料金)は,同社サイトで公開されている。Websense Enterpriseを利用するクライアント数と,利用できる期間(データベースを更新できる期間)によって料金は異なる。教育機関(学校)向けの料金体系も用意している。

(勝村 幸博=IT Pro)