シャープは同社の携帯情報端末「ザウルス」を用いた「モバイルVoIP実験サービス」を12月18日から始める。大手のインターネット接続事業者としては,はじめての携帯情報端末用IP電話サービスである。試験サービスは2003年3月31日まで行い,その後,本格サービスに移行する予定。

 このサービスはNTTコミュニケーションズが提供する無線LANのアクセス・ポイントで,無線LAN接続したザウルスを電話機として用いるサービス。試験サービス期間中は無料で利用できる。ただし,通話先は同じモバイルVoIP実験サービスの利用者に限られ,一般加入電話や他のIP電話への発着信はできない。このため,利用シーンは限られる可能性が高い。

 利用可能なザウルスは,この12月14日から発売を始めたばかりの「SL-B500」と「SL-C700」。いずれもOSとしてLinuxを搭載する。専用ソフト「Zaurus phone」を組み込んで通話する。Zaurus phoneは,ソフトフロントが開発した携帯情報端末用VoIPソフト「KISARAソフトフォン for PDA」を両社共同で移植したもの。KISARAソフトフォン for PDAはこれまでWindows CE用が提供されていた。

 試験サービスの利用者として,12月17日からモニター1000人の募集を始めた。シャープの「Sharp Space Town会員」になる必要がある。「インターネット情報サービス」会員であれば無料で登録できる。

 なお,試験サービス以降のサービス形態は,試験サービスの結果をみて,検討していくとしている。

(和田 英一=IT Pro)