電力系通信会社のパワードコムは,IPv6によるインターネット接続サービスを既存のIPv4と同じ料金で12月17日から提供開始すると発表した。IPv6による接続サービスは,これまで各社から提供されているが,いずれもIPv4によるサービスよりも高い料金に設定されている。同額での提供は,今回のパワードコムが初めて。

 パワードコムが新たに提供する接続サービスは「IPv6ネイティブサービス」。アクセス回線には10Mbpsのイーサネットを専用で用いる。月額料金はアクセス回線料込みで49万8000円。IPv4による同等サービスの「Powered Internet Business 10-G」と同額にした。49万8000円に加えて,Business 10-Gと同様に配線設備使用料として2000円,回線接続装置使用料として2万円がかかる。

 IPv6ネイティブサービスの提供地域は東京,名古屋,大阪。/48で2の80乗個のIPアドレスを利用できる。ルーティングはスタティック。このサービスはIPv6接続専用のサービスのためIPv4の併用はできない。

 IPv4を併用できるパワードコムの「IPv6ハイブリッドサービス」「IPv6トンネリングサービス」は提供済みであるが,2003年1月1日から値下げすることも同時に発表した。

 IPv4とIPv6のパケットを同時に流せるIPv6ハイブリッドサービスは月額9万7000円から5万8000円に値下げする。なお,このサービスを使うには,別途同社のインターネット接続サービス「Powered Internetサービス」を契約する必要がある。提供エリアは東京のみから東京,名古屋,大阪に拡大する。

 IPv6のパケットをIPv4パケットにカプセル化してIPv4ネットワークを透過させるIPv6トンネリングサービスはこれまで月額2万3000円だったもの,1万9800円とする。トンネリングサービスもアクセス回線としてPowered Internetサービスの契約が別途必要。トンネリングサービスは以前から東名阪で提供している。

(和田 英一=IT Pro)