情報処理振興事業協会セキュリティセンター(IPA/ISEC)は11月7日,10月中のウイルス届け出状況を公開した。ウイルスを発見したという届け出は1510件,このうち実際に被害に遭ったのは95件だった。

 Klezウイルスに関する届け出が702件と最も多く,2番目に多かったのが10月になって初めて報告されたBugbearウイルスの323件だった(関連記事)。LAN経由でも感染を広げるBugbearなどに備えるために,Windowsの共有設定を見直すよう同センターでは呼びかけている。

 10月になって初めて報告されたBugbearやOpaservウイルスは,Windowsのネットワーク共有を利用して感染を広げる。具体的には,ウイルスが実行されたマシンからアクセス可能な共有フォルダにウイルス自身をコピーして感染を広げる。

 こういったウイルスの感染拡大を防ぐには,個々のクライアント・マシンやファイル・サーバーにウイルス対策ソフトを常駐させておくとともに,「不要な共有設定を解除する」,「パスワードを設定する」――ことが有効である。IPA/ISECのページでは,共有設定の解除方法を画面写真を使って説明している。

 IPA/ISECは同日,コンピュータ不正アクセスの届け出状況も公開した。10月中の届け出件数は49件,このうち実際に不正侵入されたのは19件で,2002年中では最も多い。

 なお,10月中のウイルス届け出件数については,アンチウイルス・ベンダー各社も公開している(トレンドマイクロの情報シマンテックの情報日本ネットワークアソシエイツの情報)。IPA/ISECの情報と同様に,最も届け出が多かったのはKlez,その次がBugbearであった。

◎参考資料
コンピュータウイルスの届出状況について
コンピュータ不正アクセスの届出状況について

(勝村 幸博=IT Pro)