チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは,同社のファイアウオール製品「FireWall-1」やVPN製品「VPN-1」をIPv6対応にするモジュールのプレビュ版を提供開始する。同社に申し込んだ顧客に対して,個別に提供する。ある大手キャリアからは既に申し込みがあるという。同モジュールの正式版は,FireWall-1(VPN-1)のアップデート・モジュールであるFP4(Feature Pack 4:2003年第1四半期提供予定)に含む予定である。

 同モジュールを適用することで,IPv6パケットのアクセス制御が可能となる。ただし,プレビュ版では複数の機能制限がある。例えば,アクセス制御の対象は,FTPやHTTP,SMTP,Telnetといった,簡単なTCPおよびUDPアプリケーションに限定される。とはいえ,「IPv4同様,通信の状態を監視する『ステートフル・インスペクション』機能を使って制御するので,単なるパケット・フィルタリングとは異なる」(チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ 技術部長 卯城大士氏)。

 IPv4とIPv6のトラフィックに,異なるポリシー(ルール)を適用することもできない。また,現在対応しているプラットフォームはSolaris 8だけである。年内にNokia IPSOに対応する予定である。プレビュ版はFP2をベースにしているので,FP2に対してのみ適用可能で,2002年9月中に公開予定のFP3には適用できない。

 ただし,「今後はユーザーからのフィードバックを基に,改良を進める予定である」(卯城氏)。FP4に含まれるモジュールは,プレビュ版と大きく変わる予定だ。例えば,GUIをより使いやすくする,IPv6の拡張ヘッダをサポートする,などを予定している。Linuxに対応する予定もある。

(勝村 幸博=IT Pro)