米Macromedia米CERT/CCは米国時間5月29日,アプリケーション・サーバーであるMacromedia JRun 3.0および3.1のWindows版にセキュリティ・ホールがあることを明らかにした。

 JRunが動作するWebサーバーに,細工が施されたリクエストを送信されると,Local System権限で任意のコードを実行される恐れがある。ただし,Internet Information Server/Services(IIS)とともに動作させている場合のみ影響を受ける。対策は,パッチの適用かJRun 4へのアップグレード。

 原因は,JRunとともにインストールされるISAPIフィルタの不具合。ISAPIフィルタとは,ISAPI(Internet Server API)を利用して,IISへの要求や応答を途中で処理するDLL(Dynamic Link Library)のこと。IISサーバーへ対して,「.jsp」のリクエストが送られると,JRunのISAPIフィルタがこのリクエストを処理することになる。

 そのISAPIフィルタにセキュリティ・ホールが発見された。ある細工を施したリクエストがIISサーバーへ送信されると,バッファ・オーバーフローが発生し,Local System権限で任意のコードを実行される恐れがある。

 対策は,Macromediaが公開するパッチを適用すること。日本語版用のパッチも既に公開している。あるいは,最新版のバージョン4にアップグレードすることでも回避できる。

◎参考資料
CERT Advisory CA-2002-14 Buffer overflow in Macromedia JRun(米CERT/CC)
MPSB02-02-Patch Available for ISAPI buffer overflow in JRun 3.0/3.1(米Macromedia)
NGSSoftware Insight Security Research Advisory(NISR29052002)(今回のセキュリティ・ホールを発見した英NGS Softwareの情報)

(勝村 幸博=IT Pro編集)