インターネット中継は5分繰り上がって4日午前10時20分から開始(2/3追加情報)。
 打ち上げは4日午前11時28分に延期になった(2/2追加情報)。

 CRNフォーラムは,2002年2月3日に予定されている「H-IIA」ロケット試験2号機の打ち上げを,インターネット・ライブ中継すると発表した。これまで国内でのインターネット・ライブの最大同時接続数は3万程度だが,「今回はそれを上回る設備を用意する」(CRNフォーラム事務局)。

 2001年8月29日にも,ロケットを打ち上げる宇宙開発事業団(NASDA)により,試験1号機のライブ中継が行われた。しかし,アクセスが予想以上に集中したために,中継を見られないユーザーもいた。そこで今回は,CRNフォーラムに協力を依頼。フォーラムに参加する14団体の協力により,“国内最大規模”の中継が行われることになった。

 協力団体は,IIJ,アクセリア,NTTエムイー,NTTコミュニケーションズ,NTTスマートコネクト,キューデンインフォコム,KDDI,So-net,Jストリーム,中部テレコミュニケーション,東京通信ネットワーク,奈良先端科学技術大学院大学,Panasonic Hi-Ho,北海道総合通信網。

 中継技術には,RealSystemまたはWindows Media Technologiesを用いる。ブロードバンド回線向けの映像は,最大1Mbpsで送信する。通常のインターネット中継が200k~300kbpsであることを考えると,環境次第ではあるが,これまでにない迫力ある中継を楽しめるだろう。

 ライブ中継は,次のサイトで閲覧できる(いずれも同じ内容)。試験2号機の発射予定時刻は2月3日の午前11時32分。ライブ中継は午前10時25分から午後12時35分まで行われる。

 これらのサイトではカウント・ダウンから発射,各種人工衛星の切り離しまでの中継だけでなく,H-IIAロケットやH-IIAロケットで打ち上げられる宇宙科学研究所とNASDAによる実験機「DASH」などの解説も掲載されている。

 なお,臨場感ある打ち上げを楽しむには,映像だけではなく音声も欠かせない。パソコンのオーディオ出力を,オーディオ・システムに接続すれば,打ち上げ時の重低音を楽しめる。

 CRNフォーラムの詳細は,2月7日のNET&COM2002フォーラムで解説される予定だ。CRNフォーラムのメンバーである沖本忠久氏(NTT西日本)が「コンテンツ・デリバリ2002」のオープニング・セッションとして「CDNからCRNへ---コンテンツ配信最前線」と題し講演する。講演では,フォーラムの詳細に併せて,今回のライブ中継のように,1社のCDN(コンテンツ・デリバリ・ネットワーク)ではまかない切れない大規模中継の実現方法についても解説する予定である。興味がある読者はぜひ聴講していただきたい。

(和田 英一=IT Pro編集)