トレンドマイクロは11月12日,Linuxで動作するファイル・サーバー用ウイルス対策ソフト「ServerProtect for Linux」を,12月3日から出荷すると発表した(発表資料)。SambaやNFS,FTPなどを使ってLinuxをファイル・サーバーとする環境で利用できる。特徴は,リアルタイムでウイルスを検出できること。ウイルス・ファイルがServerProtectが動くLinuxサーバーにコピーされたタイミングで検出できる。

 Linux上で動作するファイル・サーバー用対策ソフトは既に複数存在するが,いずれも手動,あるいはスケジューリングでウイルス検索を行う必要があった。リアルタイム検出できるのは商用製品では初めてだという。対応ディストリビューションはRed Hat Linux 6.2 および 7.1。価格は1サーバーあたり29万8000円。

 検出対象は,Linux上で発病するウイルスに限らない。WindowsやMacをターゲットとするウイルスも検出できる。ウイルスであるかどうかを判別するために使用する「パターンファイル」は,同社の他のウイルス対策ソフト(例えば,「InterScan VirusWall」や「ウイルスバスター」など)と同じである。

 別マシンからウイルス・ファイルをコピーされた場合にリアルタイムで検出するほか,ServerProtect が動作するマシンでインターネットからウイルス・ファイルをダウンロードした場合や,ウイルス・メールを受信した場合にも同様に検出可能である。

 検出すると,他の対策ソフトと同様に,ウイルス感染ファイルのウイルス部分のみを駆除して,元のファイルに戻す。駆除できない場合にはファイル全体を削除する。

 ウイルスの検出数があらかじめ設定した値を超えた場合(同社では“アウトブレーク”と呼ぶ)には,電子メールやSNMPで管理者に通知する機能も持つ。これにより,「Nimda」ウイルスが出現したときに起こった“大規模感染”をいち早く検知できるとしている。

 動作に必要な環境は,メモリーは128Mバイト以上,ハードディスク容量は150Mバイト以上。マシンのCPUはPetium II 以上。2002年度中に1500サーバー分の出荷を目指す。

◎参考資料
Linuxに対応したファイルサーバ用ウイルス対策ソフト「ServerProtect for Linux」12月3日発売

勝村 幸博=IT Pro編集)