仏France Telecom社の子会社で金融機関向け電子証券取引ソリューションのデベロッパであるEtraliは6月18日,米Cisco Systemsと共同でIPベースのバーチャル・トレーディング・ルーム構築ソリューションのテストを実施中であると発表した。

 このシステムはこの後,最初のユーザーとして予定されているスイスの金融組織Tradition SA社によりベータテスト(商用化試験)が行われる予定である。Tradition SA社は今年中に,ロンドン,パリ,ローザンヌ(スイス)の3カ所にある実際の証券取引システムをIPベースに移行し,このバーチャル・トレーディング・システムを導入する計画である。

 このシステムは,ユーザーにオンライン証券取引サービスを提供するためのVoIP(Voice-over-IP)ソリューションであり,高レベルなネットワーク・セキュリティと信頼性を保証しながら,実際の証券取引室(トレーディング・ルーム)と同じ環境をオンラインで提供するものである。地理的に離れた場所に存在する複数のディーラーがあたかも同じ取引室に集まって対面しながら証券取引を行っているかのような仮想環境を実現する。これによって,証券取引コストの大幅な削減が可能になると期待されている。

 システムは,Etranetと呼ばれるEtrali社の専用IPネットワーク上でCiscoのルーターを導入して構成される。Etrali社は,金融ブローカ,トレーダ,ファンドマネージャ,バンカーなどの資金運用者向けソリューションの開発,および通信システムの運用サービスなどを手がける。従業員数は350名。世界各地にある900以上の金融機関をEtrali社のネットワークで接続し,1200のトレーディング・ルームを運用している。

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