ハイテク市場調査コンサルティング会社の米Strategis Groupは6月15日,欧州の移動通信市場の将来予測レポートを発表した。これによると,欧州の移動通信市場の成長率は1998年の44.4%をピークに次第に伸び悩み,2008年の年間成長率は4.8%になると予測される。

 欧州の携帯電話普及率は飽和しつつあり,今後の市場は新規加入者の機器購入や利用料金からではなく,第3世代携帯電話への乗り換え需要,機能や利便性の向上に伴う使用頻度増加,および新規サービス利用によって支えられるという。

 Strategis社は,過去数年間にわたって2桁の成長率を維持してきた携帯電話市場は成熟期を迎え,2003年以降は1桁台の成長率となっていくが,依然としてプラスの成長率を維持して行くと見られ,投資家達は悲観する必要はないとしている。

 同社が予測する欧州の携帯電話市場の成長率は次の通りである。

1998年 44.4%
1999年 43.6%
2000年 37.5%
2001年 22.8%
2002年 11.2%
2003年  8.3%
2004年  6.8%
2005年  6.3%
2006年  5.9%
2007年  5.2%
2008年  4.8%

 欧州の携帯電話環境は,2001年後半から第3世代(3G)への移行を開始する。従来のGSMからGPRSへ,さらに2003年からはW-CDMAへの切り替えが始まる予定である。この世代交代に伴い,新しい「収入エンジン(Revenue Engine)」が通信事業者や機器メーカーに新たな収入の道を開くものになる。そのためには,2001年第4四半期までにGPRS(General Packet Radio Service, 2.5Gとも呼ばれる)システムへの移行が成功していなければならない,とStrategis社は見ている。これが,3Gシステムの導入が2003年からスタートできる条件であり,上記の市場成長率予測の前提であるとしている。

 レポートはこの他,欧州の39の市場における加入者数,サービス売上,機器売上などを分析・予測している。

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