ウイルス被害の届け出先機関である情報処理振興事業協会(IPA)セキュリティセンターは5月11日,2001年4月の届け出状況を公開した。それによると,ウイルスを発見したという届け出は1236件(このうち実際に被害を受けたのは223件)と,前月の1476件よりわずかに減少している。しかしながら,前年同月のおよそ2.6倍と件数が多いことには変わりがないため,同センターでは引き続き注意を呼びかけている。

 同センターが特に注意を呼びかけているのは,データ・ファイルに見せかけた添付ファイルのウイルスである。それらは実行可能なファイルであるにもかかわらず,拡張子を“工夫”してデータ・ファイルのように見せかけ,ユーザーに実行させようとする。例えば2000年5月に発見された「LOVELETTER」ウイルスはファイル名を「LOVE_LETTER_FOR_YOU.TXT.VBS」として,デフォルト設定のWindowsでは「LOVE_LETTER_FOR_YOU.TXT」と表示されるようにしている。

 データ・ファイルに見せかけたウイルスの被害を回避するために,メールの添付ファイルを開く前には(1)ファイル名やアイコンを確認する,(2)ウイルス対策ソフトでチェックする---ことを同センターでは呼びかけている。

 また,(1)週に1回はウイルス対策ソフトの定義ファイルを更新すること,(2)ハード・ディスクやBIOSの内容を破壊する「Magistr」ウイルスが登場していることについても注意を呼びかけている。

(勝村 幸博=IT Pro編集)

コンピュータウイルスの届出状況について[要旨]
新種ウイルス「W32/Magistr」に関する情報