米Intelの通信関連事業部門の副社長を務めるGreg Lang氏が,3月8日に都内でIT Proとの単独インタビューに応じ,ギガビット・イーサネットの現状と今後について語った。IntelのLang副社長

 --Lang氏が副社長を務めるプラットフォーム・ネットワーキング・グループ(Platform Networking Group)では,どういった製品をカバーするのか。
Lang:LANのNIC(network interface Card),無線ネットワーク製品,家庭内ネットワーク製品,xDSL製品,CATV対応のブロードバンド製品だ。ネットワーク向けのLSIも手掛けている。売り上げをみると,NICが圧倒的に大きい。ブロードバンド製品では,xDSLがケーブルを猛烈に追い上げている。今後2年間で,xDSLがケーブルに追いつくだろう。
 社内的にプラットフォーム・ネットワーキング・グループは,ネットワーク・コミュニケーションズ・グループの傘下にある。ネットワーク・コミュニケーションズ・グループの事業は数十億ドルの規模で,その1/3がプラットフォーム・ネットワーキング・グループの売上高だ。

 --家庭内ネットワークの状況はどうか・
Lang:既設の電話線を使ったHomePNAと無線LANのHomeRFを手掛けている。主流はHomeRFだ。HomePNAの市場は縮小方向にある。

 --無線ネットワークといえば,いまはBluetoothに注目が集まっている。Bluetooth製品は手駒に持たないのか。
Lang:3月12日から,7億4800万ドルで買収した米Xircomが傘下に入る。Xircom社はBluetoothを製品をラインアップに揃えている。

 --2月末に開かれたIntel社の開発者会議で,1チップのギガビット・イーサネット・コントローラLSIを発表した。しかしギガビット・イーサネットは普及が遅れているのではないか。
Lang:そんなことはない。ギガビット・イーサネットは普及期に入った。サーバー・マシンでは,2001年から10/100Base-Tからの移行が始まり,2002年早々にもギガビット・イーサネットを組み込んだマシンが優勢になると考えている。2002年にはデスクトップ・パソコン,2003年にはノート・パソコンでギガビット・イーサネットが立ち上がるだろう。
 サーバー・マシンでは現在,マザーボードの1/2に10/100Base-T対応のコントローラLSIが載っている。これがギガビット・イーサネット・コントローラLSIに移行する。
 現在のギガビット・イーサネット・コントローラLSIは0.18μmルールの半導体技術で製造している。消費電力は3Wで,これではノート・パソコンに使うのは辛い。しかし2002年になれば,0.13μmルールが使えるようになる。集積度や消費電力の面で,ノート・パソコンで利用できるレベルに到達する。

 --しかし10/100 Base-T製品は安く手に入る。価格差はきわめて大きい。
Lang:現時点の価格差は,リスト・プライスで4倍くらいだろう。これが2001年中には2倍にまで縮まると考えている。

 --ギガビット・イーサネット後継の標準化は進んでいるのか。
Lang:10ギガビット・イーサはIEEE 802.3の作業部会で標準化が進んでいる。2001年中には仕様の初版が公開される。2002年前半に,最初の製品が登場するだろう。

(横田 英史)

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