インターネット・サービス・プロバイダのピーエスアイネット(PSINet)は,専用線ユーザー向けのウイルス・チェック・サービスを10月1日から開始した。ユーザーのLANとPSINetのバックボーンをつなぐ回線上に設置したメール中継サーバー上で,LANに出入りするメールにウイルスが含まれていないかどうかをチェックする。ユーザー側ではウイルス・チェックのソフトや装置を用意する必要がない。このようなサービスは国内で初めてという。対象は同社のインターネット専用線接続サービスのユーザー。料金は契約帯域やメール・アカウント数で決まり,例えば64kビット/秒でアカウント数が100までの場合,月額4万5000円。

 PSINetは同社のメール・サーバーのホスティング・サービス「PSINet e-Mail」のオプションとして,ウイルス・チェックのサービスを3月29日から提供している。このサービスでは,ホスティングをしているメール・サーバー上でウイルス対策ソフトを動かし,ウイルス・チェックを行う。

 今回開始したサービスでは,PSINetのバックボーンにつながる回線上にメールの中継サーバーを用意し,その上でウイルスをチェックする。メールの中継サーバーを提供するサービスは,専用線ユーザー向けに以前から用意している。ユーザーのメール・サーバーに障害が起こった場合に備えて,PSINet側でメールのバックアップをとるためである。「今回のサービスはそのノウハウを応用したもの」(PSINet)。

 すべてのメールをそのサーバー上で検査するため,スループットの低下が心配されるが,それについては,「流れるメールの量や内容によって,ケース・バイ・ケースなので,遅延が出ないことを数値的に保証することは難しい。しかし,パイロット・ユーザーの反応を見る限りでは問題はない」(PSINet)という。

 サービス対象は同社の64kビット/秒から1.5Mビット/秒の専用回線サービスのユーザー。料金は1契約あたり初期費用2万円で,128kビット/秒で月額9万円(200アカウントまで),1.5Mビット/秒で月額19万8000円(700アカウントまで)など。

 なお,ウイルスのチェックには,トレンドマイクロのウイルス対策製品「InterScan Virus Wall」のエンジンを利用している。

(勝村 幸博=IT Pro編集)

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