米Microsoftのインターネット・サービス事業部門MSNと米Compaq Computerが米国時間8月15日に,インターネット端末「Compaq iPAQ Home Internet Appliance」を発表した。Microsoft社のインターネット・サービスMSNに向ける。Microsoft社がビギナー向けの“最も簡単にインターネットに接続できる端末”として6月末に発表していた「MSN Companion」の第1弾となるもの。

 価格は599ドル。400ドルのリベートがあるので実質199ドルとなる。これには,MSN Internet Accessサービス(月額21ドル95セント)の3年分の利用料金を含む。2週間以内に全米の小売店およびWWWサイトで販売を始める予定。

 iPAQはOSにWindows CE,WWWブラウザにInternet Explorerを使う。10.1インチで解像度800×600のLCDフラットパネル・ディスプレイ,内蔵スピーカ,インターネット・アクセス・ボタン付きの無線キーボード,56kモデム,4個のUBSポートなどを装備する。米Insignia SolutionsのWindows CE対応Java仮想マシン「Jeode」を組み込む。

 MSN Internet Access向けソフトウエアをプリインストールしており,ユーザが設定を行う必要がない。MSN Hotmail,MSN eShop,MSN Search,MSN Messenger Serviceがすべてクリックひとつで利用できる。定期的に自動メンテナンスを行い,システムを更新する機能も備える。

 両社はiPAQを用い,1カ月間にわたりトライアルを実施した。シアトル州など米国西海岸北部地域で,現役を引退した市民などを対象に試験提供したところ,「インターネットのビギナーや中級程度の人からも,操作は簡単との回答を得た」(両社)という。

 なおMicrosoft社はCompaq社のほかにも,米eMachine,米Vestel USAなどとも提携している。eMachine社のマシンは15インチ(17インチ,19インチはオプション)のモニタを装備し,2000年第3四半期に発売の予定。Vestel社は10インチのLCDモニタ/15インチのCRTモニタを備えた端末を秋のはじめに投入する予定である。いずれもOSはWindows CE。

 同様のインターネット端末には,米Intel社の「Dot.Station」,米AOLとGatewayが開発の端末などがある。上記の二つのインターネット端末は,OSにLinuxを使っている。

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[www.microsoft.comに掲載の発表資料]