(2000.8.24)
 米IBMが米国時間8月23日に,テープ記憶装置の規格「Linear Tape-Open Ultrium(LTO Ultrium)」に準拠した製品を発表した。現行技術と比べ,同じコストで容量や速度を最大2倍に引き上げることができる。

 LTO Ultriumは,自動検索機能を備えるテープ記憶装置向けに設計した。IBM社は1999年だけでテープ技術関連の特許を218件取得しており,これらの技術を用いた。

 テープの伝送速度は30Mバイト/秒。300ページの小説を約3秒間で送れる。200Gバイト程度から,500Tバイト近くまでの容量(圧縮したデータ)に対応可能なテープ記憶装置を提供する。500Tバイトは,米国議会図書館の全蔵書の24倍に相当する情報量である。

 メディア企業や大容量データのバックアップを必要とするWWW事業者などに向ける。UNIXやWindows 2000/NTユーザに拡販する。

 IBM社のほか,米Hewlett-Packard,米Seagateがディジタル・テープの形式の標準化で協力した。「IBM社が他社に先駆けて製品を投入することになる」(IBM社)。IBM社が提供するLTO Ultrium製品の構成は以下の通り。

・「Ultrium Tape Drive」:容量は最大200Gバイト

・「Ultrium Tape Autoloader」:最大7本のテープ・カートリッジ(1.4Tバイト)に対応

・「Ultrium Scalable Tape Library:8本/36本/72本のカートリッジ(14.4Tバイト)に対応

・「UltraScalable Tape Library」:877本から2400本のカートリッジ(約500Tバイト)に対応

 「UltraScalable Tape Library」と「Ultrium Tape Drive」は9月1日に,Autoloaderと「Tape Library」は10月20日に出荷を始める。米Internatioanl Data Corporation(IDC)の報告によれば,テープ・オートメーション市場は2004年までに倍増の46億ドル規模に達するという。

[www.ibm.comに掲載の発表資料]
[www.businesswire.comに掲載の発表資料]