Compaqがコロラド州に研究所を新設，SAN技術の標準化策定に向ける

2000.08.23

(2000.8.23)
　米Compaq Computerが米国時間8月22日に，コロラド州のColorado Springsに研究所を開設する計画を明らかにした。名称は「Enterprise Storage Customer Center（ESCC）」。ネットワーク・ストレージの相互運用性の検証や評価などを行う。

　面積は2万2000平方フィート。Compaq社は7月に米IBMとストレージ向けネットワーク技術の標準化で提携しており，両社合わせて総額10億ドル規模の投資を行うことを発表している。今回の研究所新設はこれを受けたもの。

　ESCCは，Open SAN（Storage Area Network）技術の開発を行う。Compaq社が提唱するSANのストレージ仮想化技術「VersaStor」をベースとする。ネットワークにつながった異なるベンダのコンピュータとストレージ機器のあいだでの相互運用性を確保する。

　ESCCには，相互運用性テストを行う「Network Storage Interoperability Lab」のほか，顧客向けトレーニング・センタ「Customer Traning Center」，「Executive Briefing Center」を置く。業務の概要は以下通り。

・Open SANと業務アプリケーションの動作確認
・1カ所で大量の分散型ストレージ・システムを管理するノウハウを開発
・SANベースのデータ保護およびリカバリ機能の開発。

　トレーニング・センタでは，「StorageWorks」や「SANworks」などの製品を用いる。また，ESCC開設の一環として，業界団体Storage Network Industry Association(SNIA）が2000年始めに発表したStrage Networking Technology Centerに向けたセンタも建設中である。

　なお米Strategic Researchの報告によれば，「SAN市場は1998年には27億ドルの水準だったが，これが2003年には270億ドル規模に成長する」という。また，米Cahners In-Statは「ネットワーク・ストレージ市場は年平均成長率50％で拡大し，2004年までに100億ドル規模に成長する」との予測を発表している。