英Analysysはビデオ・ストリーミング市場に関する調査結果を英国時間1月16日,発表した。ビデオ・ストリーミングが企業にとって現実的な選択肢になるにつれ,西欧市場は2001年の約2500万ドルから2006年の約2億ドル規模へと,ほぼ10倍に拡大するという。

 主に社内コミュニケーション,研修やマーケティング,投資家への情報提供などへの利用が,ビデオ・ストリーミング市場を牽引する。2006年までトラフィックが年平均90%,売上高が同50%増加する。しかし実際に成長が加速するのは,2005年からになる見通しだ。

 Analysys社は「ビデオ・ストリーミングは社内コミュニケーションを,即座に臨場感のある感情表現に富んだものに変えることができる。例えば,中小企業はわずか数百ドルのデジタル・カメラと,無料でダウンロードできるエンコード/再生ソフトを使って,会長のスピーチをインターネットで生中継できる」と説明した。ただし,洗練されたビデオ・ストリーミングを行うには,社外の専門業者にコンテンツ作成と配信を依頼した方がよいと指摘する。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・企業は,高価な帯域幅の利用を最小限に抑えるために,キャッシングやミラーリング技術を利用する。またボトルネック解消には,CDN(コンテンツ配信ネットワーク)やIPマルチキャストを利用する。

・通信事業者がビデオ・ストリーミング分野で市場機会をつかむには,英Cable & Wirelessによる米Digital Islandの買収などのように,コンテンツ配信に秀でた企業の買収や,パートナー企業との提携が重要である。

・ビデオ・ストリーミング市場の成長により,IP-VPN(Virtual Private Network)やIPマルチキャスト技術に対する需要が拡大する。

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