IT Japan 2011レポート

日経BP社では、「新本流宣言 〜明日を創る〜」を統一テーマに、IT Japan 2011を2011年7月12日(水)〜14日(金)の3日間、品川プリンスホテルで開催した。

 このIT Japan 2011の講演を採録。企業のトップやCIO、国内外の主要IT企業のトップが、経営とITについて語った。
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IT Japan 2011レポート

最新ノートPCを社外に持ち出せば 労働生産性と事業継続性は高まる
Enterprise Transformation --- インテル 取締役副社長 宗像 義恵 氏
 インターネット上でやり取りされたデータの総量は2010年の1年間だけで245エクサバイト(EB)に達した。日本語では2垓4500京バイトと表記する。インターネットができてから2009年までのデータ総量が150EB、その半分の75EBは2000年以降に発生したものだから、爆発的な増加といっていいだろう。

ネット上で急増する「非構造化データ」 ビッグデータの活用がビジネスを制す
情報爆発とビッグデータの活用 〜新たなサービス機会と実現のための基盤技術〜 --- 野村総合研究所 取締役会長 藤沼 彰久 氏
 野村総合研究所は、情報爆発とそれを引き起こすビッグデータの活用に取り組んでいる。そもそもビッグデータとは何だろうか。ビッグデータとは、既存の技術では管理できないほどにボリュームが増え、複雑化したデータのことを指す。

自動車と家電で世界を制したが クラウドの登場で、その再定義を
新しい国造りを目指して ─ソニーとグーグルで学んだことを活かして --- アレックス 代表取締役社長兼CEO (Google日本法人 元代表取締役社長) 辻野 晃一郎 氏
 今、急速なグローバル化が進展している。一国では解決できない地球規模の問題が相次いで起こっている。東京電力福島第1原子力発電所の事故はその最たるものだ。放射能汚染は地球規模で広がり、日本だけの閉じた問題ではない。このほかにも、世界には食糧問題やエネルギー問題など様々な課題が山積している。

車載機とITの連携で実現する カーシェアリングサービスの進化
新市場を創る 〜今、求められるモビリティサービスについて〜 --- パーク24 執行役員業務推進本部長 川上 紀文 氏
 パーク24は「Times」のブランドで駐車場事業を展開している。日本全国の1万2000カ所以上で駐車場を運営し、韓国でも事業を展開している。2010年10月期の売上高は1132億円、営業利益は128億円である。

クラウドとデバイス、ソーシャルを活用し オペレーションの近代化をサポートする
日本の復興と発展に向けて ─ ITの果たす役割 ─ --- 日本マイクロソフト 代表執行役社長 樋口 泰行 氏
 積極的な海外展開を進める企業が増える一方で、日本経済の全体的な力は低下傾向をたどり、日本は大きな転換期を迎えている。内向き発想、ガラパゴス化といった従来通りのやり方ではなく、世界に目を向け、世界という舞台で勝負する。そんな熱意と戦略が求められている。

知識社会では課題解決が価値に ビジネスモデルの刷新が必至
ビジネスモデル3.0 〜新しい価値を創造し続ける組織の姿とは --- シグマクシス パートナー 渡邊 達雄 氏
 世の中では、いろいろな分野で「3.0」が提唱されている。モチベーション3.0やマーケティング3.0は、その中でよく知られた存在だ。これらの3.0は発展の段階のことだが、私が言うビジネスモデル3.0の意味は少し異なる。「ビジネスモデルには3種類ある」と理解していただければよいだろう。

日本の産業界の復興に不可欠 “3つの脱却”の視点に基づく施策
危機的経済環境を変革の梃子と捉える ─ 新たなグローバル化の始まり ─ --- 日本IBM グローバル・ビジネス・サービス事業 専務執行役員 コンサルティング&システムインテグレーション統括 椎木 茂 氏
 世界の中での日本の経済的地位を検証してみると、国民1人あたりのGDPでいえば、2001年には6位だったものが、2011年には17位にまで順位を大きく下げている。また、スイスの有力ビジネススクール、IMD(国際経営開発研究所)が毎年発表している世界競争力ランキングでも、日本は1990年には1位だったが、2011年には26位と低迷している。

新たな日本の道を切り開くためには失敗を恐れず「攻めの経営」に転換を
新しい日本の創造のために --- ジャーナリスト 田原 総一朗 氏
 日本の政治は混迷しているが、経済は持ち直している。それは日本経済を支える企業の頑張りによるところが大きい。とりわけ部長、課長クラスの働きが大きな力になっている。とはいえ、手放しで喜べない根本的な問題がある。国際競争力や国内総生産などで比較すると、かつて日本は世界のトップクラスにいたが、現在は順位を軒並み下げている。日本の経済力は構造的に低下していると考えていいだろう。

知的作業を支援する「クラウドプラス」 意思決定の生産性と質を向上
ワークスタイルの変革 “Platform-based Information Management” --- 新日鉄ソリューションズ 常務取締役 ITインフラソリューション事業本部長 宮辺 裕 氏
 新日本製鉄の情報システム部門を母体とする当社は、ミッションクリティカル性が高いシステムの企画・設計・構築・運用に長年携わってきた。その当社がクラウドビジネスを始めたのはおよそ5年前のことだ。現在、IaaSの「absonne」やPaaSの「NSAppBASE for EC」といったクラウドサービスを展開している。

ダイエットに失敗する人を減らすため 今後、成功に導くソリューションを強化
企業の成長は社員の健康から ITで「はかる」を管理し付加価値向上 ミリオンセラー「体脂肪計タニタの社員食堂」の舞台裏 --- タニタ 代表取締役社長 谷田 千里 氏
 家庭用ヘルスメーターを当社が発売したのは1959年のことだ。その後、体脂肪計や体組成計なども手掛けるようになった。その当社のITとの関わりの1つが会員制健康管理サービス「からだカルテ」だ。体組成計や血圧計、歩数計などには計測データを送信できるものがある。インターネットを経由し、そのデータは当社が運営するデータベースに取り込まれ、会員の健康情報として時系列でグラフ化され、会員は携帯電話やPCからいつでも見られる。

インフラ分散化で"境界線"が変化 新たなセキュリティの課題に対処を
安心・安全なクラウド環境に向けて 〜Securing Your Journey to the cloud〜 --- トレンドマイクロ 取締役 エグゼクティブバイスプレジデント 日本地域担当 エグゼクティブバイスプレジデント アジア・ラテンアメリカ地域営業推進担当 大三川 彰彦 氏
 コンピュータウイルスが登場したのは1988年のことだ。以来、ITの利用環境の変化に伴って、コンピュータウイルスも様々な変遷を遂げた。トレンドマイクロは、それぞれの時代のコンピュータの利用環境の変化に歩調を合わせて、絶えず姿を変えるセキュリティ上の脅威に対抗するため、常に先進的なセキュリティソリューションを提供してきた。

多様なデバイスと最適化されたクラウドで価値ある情報をやり取りできる環境
"Everybody On"─ HPが見据えるITの将来とその基盤ビジョン --- 日本ヒューレット・パッカード 執行役員 HPソフトウェア事業統括 中川 いち朗 氏
 ヒューレット・パッカード(HP)はここ数年、ITサービスやソフトウエアの会社の買収を続けている。その背景には、当社が今年3月に発表した新ビジョンEVERYBODY ONに基づいた事業戦略がある。新ビジョンは当社だけでなく、日本や世界のITを変革する指針になると確信している。

インテリジェンス・サイクルを粛々と回し 組織のリーダーは誤りなき決断を
新たな時代のリーダーシップを考える --- 外交ジャーナリスト・作家 手嶋 龍一 氏
 去る2011年5月2日、米軍は「オペレーション・ジェロニモ」と呼ばれる作戦を決行した。アメリカ同時多発テロ事件の首謀者とされるオサマ・ビンラディンが潜伏しているパキスタンの隠れ家をSEALs(アメリカ海軍特殊部隊)が奇襲し、捕捉・殺害した。

企業外の「声」が経営戦略を左右 SNSがシステムの優先度を変える
ソーシャル・エンタープライズ 〜SNSと企業システム〜 --- セールスフォース・ドットコム 代表取締役社長 米セールスフォース・ドットコム 上席副社長 宇陀 栄次 氏
 セールスフォース・ドットコムは、創業以来、一貫してクラウドコンピューティングに特化したサービスビジネスを展開してきた。現在、世界で10万社、ユーザー数にして約500万人が当社のクラウドサービスを利用している。

日本企業の構造改革、意識改革は待ったなし ICTが成長戦略に貢献できているか再確認を
再点検:ICTの力を活用する前に覚悟すること --- アクセンチュア 代表取締役社長 程 近智 氏
 企業の業績を左右するような不測の事態に備えつつ、成長に勢いをつけるには、アクセルとブレーキを同時に踏むような高度で繊細な操縦技術が求められる。そのため、経営者は自社の分析・予見力を強化し、ICTインフラを整えなければならない。東日本大震災によって、今後数年間、日本企業にはこうした経営が求められる。

情報と制御の融合を通して 「強く、やさしい社会」の実現を目指す
強く、やさしい社会へ ─ITができること --- 日立製作所 執行役専務 情報・通信システム社 社長 岩田 眞二郎 氏
 東日本大震災をきっかけに、経営者の意識は大きく変わりつつある。BCP(事業継続計画)見直しの動きが目立つほか、データセンターに移行するニーズも拡大している。また、クラウドコンピューティングに対する関心も高まっている。

ITの進化に伴うパラダイムシフトを生かし ビジネスと社会の持続的な発展に貢献
ビジネスと社会の発展を支える新たなICTのかたち 〜Human Centric Intelligent Society〜 --- 富士通 代表取締役社長 山本正已 氏
 国民1人あたりのGDPや世界競争力ランキングなどのデータをみても、残念ながら日本の国際競争力は長期的な低下傾向にある。それに追い打ちをかけるかのように、東日本大震災をきっかけに、医療・介護や財政など日本がかねてから抱えていた様々な課題が顕在化した。日本を取り巻く状況は厳しさを増す一方だ。

「Simplifying IT」の実現こそが変化の時代に企業が生き残る条件
技術革新が約束する次世代のビジネス基盤 ─ Simplifying IT --- 日本オラクル 代表執行役社長 最高経営責任者 遠藤 隆雄 氏
 外部環境の激しい変化は、今や企業活動の前提となった。近頃「想定外」という言葉をよく耳にするが、企業にとって“変化”が想定外であってはならない。起こり得るすべてのことを想定に入れておくことが必要だろう。

釜石市を襲った想定外の大津波 子どもを救った「避難の3原則」
想定を超える危機にどう備えるか 〜東日本大震災における釜石市の児童・生徒の主体的行動に学ぶ〜 --- 群馬大学大学院 教授 広域首都圏防災研究センター センター長 片田敏孝 氏
 今年3月11日に発生した東日本大震災で、死者1万5524人、行方不明者7130人、計2万2654人(2011年7月2日警察庁発表)の尊い命が失われた。そんな厳しい状況の中で、岩手県釜石市の小中学生は自らの命を守った。津波襲来時に小中学校の管理下にあった児童・生徒は小学生1927人、中学生999人。全員の無事を確認できた。

技術力、業務経験、豊富な選択肢を武器に顧客目線で経営課題とITのギャップを解消
お客様の事業を変革するITサービス〜新たなパートナシップを目指して〜 --- 日本ユニシス 代表取締役社長 黒川 茂 氏
 ユーザーズ・アンド・ユニシス(U&U)──。日本ユニシスは、創業当時から顧客第一主義を貫いてきた。技術に基づく現場力と解決力でお客様に尽くし、お客様とともに発展していくことが社会的責任と考えているからだ。

「正解」は探すのではなく、自らつくるもの 復興・発展への全体像を描き、組織で共有を
低度成長時代からの日本企業のレジリエンス --- プライスウォーターハウスクーパース 代表取締役社長 内田 士郎 氏
 PwC(プライスウォーターハウスクーパース)は毎年、日本を含む世界各国のCEOを対象に意識調査を実施している。今年の特徴は「今後1年間、ビジネスの成長に必要なオポチュニティは何か」と質問したところ、「新商品・新サービスの開発」を挙げるCEOが増え、イノベーション重視の姿勢が目立ったことだ。

便利な機能でも災害時に使えず 改めて感じた日頃の訓練の大切さ
事業継続 〜震災から学ぶ、ミニストップの反省会〜 --- ミニストップ 代表取締役社長 阿部 信行 氏
 東日本大震災は未曽有の被害を与えた。震災当日、私は千葉市の海浜幕張にある本社ビルの18階にいた。大きな揺れを感じるとともに、海浜幕張地域で発生した液状化現象を目の当たりにして大変な事態であると直感した。

クラウドネットワークが支える 経営品質向上とイノベーション
経営品質を高めるビジネス プラットフォーム 〜ネットワークがもたらす価値〜 --- シスコシステムズ 代表執行役員社長 平井 康文 氏
 世界中で20億人が利用しているインターネットが重要な産業分野の1つになったことを否定する人はいないだろう。そのメリットを享受しながら、いかにして経営を革新していくか。そこで問われるのが経営の品質である。

社会インフラを含めたあらゆるサービスをネットワークを介して有機的に連携
人と地球にやさしい情報社会へ --- NEC 代表取締役 執行役員副社長 兼 CMO(チーフマーケティングオフィサー) 岩波 利光 氏
 コンピュータとコミュニケーションを融合する「C&C」をNECが提唱したのは1977年のことだ。それから40年後の2017年に向け、当社は「人と地球にやさしい情報社会をイノベーションで実現するグローバルリーディングカンパニー」をビジョンに掲げ、事業を展開している。人にやさしいとは、いつでもどこでも、誰でも使えるサービスを通し、安心・安全・便利で豊かな生活を実現すること。地球にやさしいとは、限りある資源を効率的に活用し、地球環境と共存しながら持続的に発展していくことだ。こうした社会をC&Cクラウドで実現することを当社は目指している。

民主主義的な市場経済の旗を掲げ 痛みを乗り越えて成長への道筋を
構造変化する世界経済の中の日本経済の位置づけを考える --- 東京証券取引所グループ 取締役兼代表執行役社長 斉藤 惇 氏
 過去20年間、世界経済は着実な成長を遂げてきた。先進諸国のGDPは概ね2〜2.5倍に増えた。それに対し、BRICsをはじめ新興国の成長は顕著で、とりわけ中国経済は15倍に拡大した。

経営視点に基づく3つのチャレンジで真のグローバル企業への変革を目指す
ITを活用した企業改革へのチャレンジ --- オムロン 執行役員 グローバルプロセス革新本部長 吉川 浄 氏
 オムロンは、独自の「センシング&コントロール」技術で、産業・社会・生活の各分野に、安心・安全、環境、健康といった価値を届ける企業である。

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