「Amazon CloudWatch」は、仮想マシンのEC2インスタンスをはじめとする様々なAWSリソースの状態やログを収集する監視サービスだ。他のサービスと連携して、障害やその予兆が発生したときのアクションを自動化する。例えば、EC2インスタンスのCPU使用率が90%を超えるとAmazon SNS(Simple Notification Service)を通じて管理者にメールを送る、といったことが可能だ(図1)。

図1 CloudWatch Metrics/Alarmsによる監視と通知
図1 CloudWatch Metrics/Alarmsによる監視と通知
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 AWSリソースだけでなく、その上で動くアプリケーションも、プラグインやSDK(Software Development Kit)によって監視できる。

 AWSでの監視・運用の中核サービスであり、使いこなすことによって、基盤とアプリケーションの監視を効率化したり、インシデント発生時のアクションを迅速化したりできる。全てのAWSユーザーにとって利用する価値が高いサービスの一つだ。

 CloudWatchは、大きく四つの機能を備えており、一つひとつが独立したサービスになっている。ベースとなるのは、リソースの状態データを収集する「CloudWatch Metrics」、アラームを発動する「CloudWatch Alarms」だ。さらに、ログを蓄積・管理する「CloudWatch Logs」、イベントやリソースの状態変化をトリガーにしたアクション実行する「CloudWatch Events」がある。

 このほか、複数リージョンにまたがるリソースの情報を一つのビューで表示する「CloudWatch Dashboards」があるが、詳しい説明は割愛する。CloudWatch Metrics、Alarms、Logs、Eventsという四つの機能を順に見ていこう。