スマートフォンのアプリに話しかけると、該当する会議室を探して、「10-A会議室が空いています。予約しますか?」と音声で教えてくれる。「お願い」と言えば、予約が完了する――。

 コンピュータが人のように、言葉を聞いて認識したり、文を組み立てて話したり、画像を見て内容を判断したりする。そんな新しいシステムを実現する可能性を秘めるのが、クラウドのコグニティブサービスだ。

 この分野で先行するAzureは、既に24種のサービスを「Microsoft Cognitive Services」として提供している。AWSは2016年11月に、Amazon Lex、Polly、Rekognitionという三つのサービスの提供を始めた。

 多くの企業にとって、コグニティブサービスはまだ導入したことのない未知の存在だろう。そこで今回は、AWS、Azureそれぞれのコグニティブサービスについて、どんな機能を備えていて何ができるのかを解説。業務での用途を提案したうえで、実際にシステムを構築し、現時点での実力を評価する。