クラウドの基盤は全面的に仮想化されているだけに、ストレージの性能が劣るのは致し方ない面がある。半面、仮想化しているからこそ、ストレージの種類が豊富で、それぞれが独特な性能特性を持つ。これを理解したうえで、インフラ設計をすることが非常に重要だ。

 そこで今号と次号の2回にわたって、AWSとAzureのストレージサービスを取り上げる。今号はストレージサービスの全体像を解説したうえで、仮想マシン(VM)の外付けストレージを検証。次号はオブジェクトストレージを中心に評価する。

 AWSの外付けストレージは「Amazon EBS」だ。高負荷時には性能がバーストする。その性能はどれほどか。ベース性能と併せて測定した。さらに、内蔵ディスク「インスタンスストア」の性能も調べる。

 Azureの外付けストレージ「Azure Disk(Disk Storage)」については、SSDタイプとHDDタイプの性能を比較するのに加え、ストライピング構成やキュー深度(同時I/Oリクエスト発行数)による性能の変化を調べた。