ベンダーの“クラウドSI力”の一つの指標となるのが、クラウドベンダーのパートナー認定制度だ。クラウドSIを委託するベンダーを選ぶ際に参考になる。

 米Amazon Web Services(AWS)では「APNパートナープログラム」を用意。営業・技術支援やセミナー支援、トレーニングの割引などを通じて、パートナーの底上げを図っている。

 AWSでSIを手掛けるパートナーは「コンサルティングパートナー」に分類される。国内のコンサルティングパートナーの数は、準備段階にある企業を除いて約130社。実績に応じて3段階でランク付けされており、「ユーザーの導入事例数や、認定資格を取っている社員数など、上位パートナーへの認定基準はかなり厳しい」(アマゾン ウェブ サービスジャパン マーケティング本部長の小島英揮氏)。

 最上位の「プレミア」に認定されるには、1年に10件以上の公開可能な導入事例を作る必要がある。

 AWSの利用額にも条件があり、プレミアの場合2015年は月額25万ドル(1ドル=113円換算で約2800万円)。「2016年はこの数倍の額が設定されていて年々、増える傾向にある」(アマゾン ウェブ サービス ジャパン パートナーアライアンス本部今野芳弘本部長)。

 2016年4月時点でプレミアに名を連ねる国内パートナーは5社。クラスメソッド、アイレット、野村総合研究所、サーバーワークス、TISである。

 特定領域で強みを持つパートナーを認定する、「コンピテンシー」と呼ぶ仕組みも用意。「認定のハードルは高く、取得すれば大きなアピールになる」(今野氏)。AWSのサイトは、目当てのコンピテンシーを指定し、その取得ベンダーを検索できる仕組みを備える。