民間企業における特殊な対応

 企業によっては、その業界や条件によって特殊な対応がある。一つは、金融業界であり、他の業界と異なり、法定調書の猶予措置がある。金融業界は膨大な量の法定調書を扱うため、20種類の帳票については3年の経過措置が認められている。3年経過するまでに顧客からマイナンバーを取得すればよい。さらに、激甚災害時には特殊な対応が求められ、着の身着のままで避難してきた被災者に対し、本人のマイナンバーを確認することで金銭の支払いができるようにしなければならない。

 もう一つは、確定給付企業年金法または確定拠出年金法に該当する企業である。これらの企業は、個人番号利用事務実施者として企業年金の加入者をマイナンバーで管理しなくてはならない。ただし、法律での記載があるものの、厚生労働省から「番号制度施行当初からのマイナンバー利用は見送る」という発表があったため、当面対応する必要はなくなった。

 最後に、企業のマイナンバー対応スケジュールを提示しておく()。企業としては、個人番号関係事務への対応に注力するだけでよい。企業年金については対応不要のため、スケジュールを外した。また、健康保険組合については割愛したが、これは個人番号利用事務実施者の立場となり、行政機関と同様の準備作業が必要となっている。

図●企業でのマイナンバー対応のスケジュール
図●企業でのマイナンバー対応のスケジュール
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