デジタルマーケティングを成功に導くためには、データを基点に顧客を理解し、最適なアクションへとつなげる「データドリブン」の考え方が重要だ。技術の進化を受け、新たなビジネスが日々生まれる今、営業/マーケティングの現場も“デジタル武装”しなくてはならない。富士通が試行錯誤を通じて導き出した、データドリブンマーケティングで重要になる3つの手法を見ていこう。

富士通株式会社<br>マーケティングコミュニケーション本部<br>デジタルコンテンツ統括部<br>デジタルコンテンツ部 部長<br>駒村伸氏
富士通株式会社
マーケティングコミュニケーション本部
デジタルコンテンツ統括部
デジタルコンテンツ部 部長
駒村伸氏

 外資系マーケティングオートメーション(MA)ツールの相次ぐ上陸が契機となり、日本に「MA導入ブーム」が盛り上がったのは2014年のこと。マーケティング組織の整備が遅れていた日本企業を中心に、「マーケティングのデジタル化」の機運が一気に高まった。

 しかし拙速にツール導入を先行させた企業のマーケティング部門は、やがて“現実の壁”に直面する。営業部門と意識が合わず、せっかく作った見込み顧客リストを放置されたり、コンテンツ整備の遅れから、最初の計画通りのマーケティングプランを実行できなくなったりする例が相次いだ。

 スマートフォンの普及やIoT(Internet of Things)の浸透など顧客との接点が多様化する中、営業活動と連動したマーケティング活動のデジタル化は、企業のビジネスを変革する重要テーマといえる。ただし業務を一新し、それを定着させるには、次々に派生する課題を1つずつクリアしなくてはならない。

 富士通自身はMA導入ブームの前から、企業の変革に伴走するため、マーケティングのデジタル化の可能性を追っていた。背景にあったのは、企業がデジタル化に対応したことで派生した変化である。

 「(これまで富士通が強い接点を持っていた)情報システム部門だけでなく、お客様の事業部門から新しいビジネスが生まれるようになりました。このキャッチアップが大きな課題となりました」。富士通でデータドリブンマーケティングを推進するマーケティングコミュニケーション本部 デジタルコンテンツ統括部 デジタルコンテンツ部 部長の駒村伸氏はこう語る。

 ビジネスが多様化している顧客に最適な提案をするには、その実像の把握が欠かせない。このために、社内にあるデータを起点にした「データドリブンマーケティング」の実践を目指した。顧客に関わる多様なデータを統合して「見える化」し、顧客にとって最適なソリューションに関する情報を、最適なタイミングと最適なチャネルで提供するコミュニケーションを目指したのだ。

 その試行錯誤の中から富士通は、(1)顧客を「見える化」するデータ整備、(2)デジタルとリアルの連携で設計するシナリオ、(3)顧客ニーズに沿ったソリューションテーマでの実践という手法を編み出してきた。その具体像を、順番に見ていこう。

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