日本企業におけるオールフラッシュ・ストレージの採用が活発化している。この3-4年で、エンタープライズストレージシステム市場におけるフラッシュの存在感が一気に高まった。1956年に業界初となる磁気ディスク装置が発表されてから60年。コンピューターによるビジネス変革の重要な役割を担ってきた磁気ディスクも、その主役の座をフラッシュ・ストレージに譲ろうとしている。今まさに、ストレージ市場においてパラダイムシフトが起きているのだ。

 高速な処理性能や応答時間は、フラッシュ・ストレージの代名詞だ。企業は、このフラッシュ化によって、業務効率の改善やコスト削減、企業競争力の向上、ビジネス価値の創造といったメリットを享受することができる。「そこまでのスピードは必要ない」と敬遠していた企業も、その効果を体験してしまうと、元に戻ることができなくなってしまうだろう。フラッシュへの移行が不可逆的に起きている以上、「いつ」その波に乗るのか。企業は、ストレージ基盤への投資について、大きな決断を迫られている。

 一方、各ITベンダーは市場の拡大に伴って、より多くの顧客ニーズに応えようとオールフラッシュ・ストレージの製品ポートフォリオを強化している。企業は、それらの選択肢の中から最適解を見つけなければならない。その判断基準をどこに求めたらいいのか。まず初めは、ぜひフラッシュの特長・良さが生かされた設計かどうかを確認するとよいだろう。そこには、各社が開発を行ってきた技術力や成果が垣間見える。

 当レポートでは、オールフラッシュ・ストレージの導入事例をいくつか紹介しながら、最後に機種選定の際に確認しておきたいポイントを見ていく。

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