オフィスコンピューター、略してオフコン。NEC、日本IBM、富士通は、かつて“オフコン3強”と言われてきた。しかし、その一角を占めるNECがオフコンのサポートを終了する旨を発表し撤退を決めた。すでに2013年12月には新規の出荷が停止されていたとはいえ、既存ユーザーにとってそのインパクトは大きい。
オフコンは1960年代に登場し、中堅・中小企業を対象に導入が広がった。ハードウェアと一体化したOSとアプリケーションが提供され、ITスキルがそれほど高くなくても運用できる点が評価され、メーカーの手厚いサポートもあり普及した。
しかし、ここ20年ほどの間にWindowsサーバーのようなオープン系のサーバーが脚光を浴びるようになり、オフコンはその勢いを失ってきた。2000年には年間1万台以上が出荷されていたが、2015年の出荷はわずか1000台程度にまで落ち込んでいる。
とはいえ、現在でも2万台以上が稼働しているとみられており、多くの中堅・中小企業の企業活動を支え続けており、アプリケーションはこれからも必要になる。問題なのは、これからオフコンのユーザーはどこへ向かえばいいのかという点だ。国産メインフレームにも昔日の面影はなく、撤退や事業縮小が続いているという状況もある。
ただ、その一方で古いオフコンや国産メインフレームのシステムを、新たなプラットフォームに移行するための技術は進化している。独自言語で開発されたアプリケーションを、より汎用性の高いCOBOLに移植するツールもある。既存のユーザーにとっては、早めに移行方針を決定しておくことが必要な段階に来ているのではないだろうか。ここでは、オフコンの「効果のある移行策は何か」を考えてみたい。