ストレージも「フラッシュファースト」が本格化
2017年11月29日、Dell EMCがミッドレンジにおけるオールフラッシュストレージのラインアップ強化を発表。その一方で、顧客の投資保護を目的とした新たなプログラムの提供も開始した。同社はこの領域でどのような戦略を打ち立て、市場の中でいかなるポジションを確立しようとしているのか。
オールフラッシュストレージは、消費電力も低いSSDが採用され、HDDをはるかに凌駕するパフォーマンスを発揮するが、以前は容量単価が高かったことから、高いI/O性能や低レイテンシが求められる特定の領域で導入されることが多かった。しかし、最近では技術革新によって容量単価が下がっており、市場が急速に拡大している。このような環境の中、ミッドレンジにおけるオールフラッシュストレージのラインアップを、積極的に強化・拡張しているのがDell EMCだ。
同社は2017年5月、ミッドレンジストレージ「Dell EMC Unity」に、4つのオールフラッシュモデルの刷新モデルを投入。2017年11月にも、同じくミッドレンジストレージである「Dell EMC SCシリーズ」のオールフラッシュ版を発表している。これらはいずれも、インテル® Xeon® プロセッサーを搭載している。
「既に数年前から『フラッシュファースト』という言葉が使われるようになっていますが、その動きが最近になって本格化していると感じています」と語るのは、EMCジャパン プライマリーストレージ事業本部 製品SE部 部長の森山 輝彦氏。従来はHDDとSSDを組み合わせたハイブリッド型の採用が多かったが、最近ではオールフラッシュ採用の比率が増えているのだという。「その背景としては、ハイブリッド型ストレージを実際に使うことで、HDDとSSDの運用コストの差を目の当たりにしたことが大きいと思います。SSDはHDDに比べてはるかに必要な運用管理負荷や交換頻度が低く、運用コストを考えればオールフラッシュのほうがTCOが下がると判断するケースが増えているのです」と森山氏は説明する。
Dell EMCにおける前述のラインアップ強化は、このようなニーズに対応するものだといえるだろう。では、同社はこれらのミッドレンジ製品をどのように位置づけているのか。そして、他社製品と比べてどのような優位性があるのだろうか。
インテル® Xeon® プロセッサー